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【医療】医人伝/「乳房再建」技術に磨き

2017/05/02

 日本人女性のかかるがんで最も多い乳がんは、早期に見つかれば治る可能性が高いとされるが、乳房を手術で失った患者の精神的負担は大きい。そんな患者に寄り添い、乳房再建手術で笑顔を取り戻そうと尽力する。

 岐阜県出身。宮崎医科大を卒業し、形成外科の道へ。「治療後に患者さんの見た目と体の機能を改善させる分野。患者さんのこれからの人生に役立ち、生活の質を高めたいと思った」

 10年ほど前、30代の女性患者との出会いが転機となった。乳がんと告知され、手術により左乳房を切除。乳房を失ったことに大きなショックを受け、入院中はずっと泣き続けていた。

 女性は、乳房再建を希望し、数カ月に及ぶ通院とシリコーンを入れた人工物で膨らみを作る手術を受けた。治療が進むにつれて、少しずつ表情が明るくなったという。最後の診察では、「きれいな胸を作ってくれてありがとう」と涙ながらに感謝された。「乳房再建が患者さんを絶望から救うこともあると実感した」と振り返る。

 2009年、木沢記念病院へ。乳房再建に力を入れ、8年間で約400件の手術を手掛けた。患者は30~60代が中心で、最高齢は73歳。幼いわが子を不安にさせたくない、人目を気にせずに温泉を楽しみたいなど再建の理由はさまざまだ。

 実際の手術では、人工物を入れたり、患者の腹部などの組織を移植したりして胸の膨らみを取り戻す。患者が手術後の胸を具体的にイメージできるように、3D撮影による画像シミュレーション装置も導入している。

 人工物は入院期間が比較的短い半面、異物を入れるので手術後に変形したりまれに感染症にかかったりする恐れがある。一方、組織移植は胸の見た目や感触に違和感が少ないものの、腹部などに新たな傷ができる上に入院期間も長くなる。「どんな手術をするかは患者さんによって異なり内容も複雑。それぞれの手術法の特徴を理解し、自分にあった方法を選んでもらえるよう努めている」と言う。

 14年には、院内に「乳癌(にゅうがん)治療・乳房再建センター」を開設。がん治療にあたる乳腺外科と専任の看護師、形成外科が一丸となって治療にあたる。「再建手術の技術をさらに上げて、患者さんの理想に近づけるようにしたい」と力を込めた。

 (河野紀子)

「乳房再建の技術をさらに高めていきたい」と話す高木美香子さん
「乳房再建の技術をさらに高めていきたい」と話す高木美香子さん

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