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【愛知】コレがいちおし 新年度予算から 全戸訪問 不安除く
2017/04/05
田原市 初産妊婦を支援
母親失格だと自分を強く責める。子どもの調子が悪いのは、自分がふがいないからだと思い込む。
出産後の母親が、育児への不安や重圧から抑うつ状態に陥る「産後うつ」の典型的な症状だ。
田原市は4月から、市内の初産妊婦宅への全戸訪問や、産後間もない母親の健診費の一部助成の取り組みを進める。2017年度一般会計予算には250万円を計上。産前から産後まで切れ目なく支援する。
全戸訪問は、市の保健師や看護師、助産師18人が担当し、対象となる世帯は220戸と想定する。市健康課で母子手帳を交付する際に訪問希望月を確認。各家庭に1時間ほど滞在し、人形を用いて赤ちゃんの抱き方を指導したり、出産、育児への不安を聞き取ったりして、アドバイスする。
産後8週までの間に受ける母親の健診費も1人当たり1回5000円を助成する。心身の不調や育児への不安を訴える母親と子が宿泊を伴い病院で療養する「産後ケア」でも、7月からは6泊7日を上限に費用の8割を公費で負担する。
市は医療機関と連携し、授乳や育児などの相談をしやすい環境づくりや、産後うつの早期発見につなげたい考えだ。健康課の担当者は「妊娠期からの手厚い支援で、何でも話せる関係をつくりたい」と話す。
妊産婦はホルモンや生活の変化、周囲からの孤立によりストレスを受けやすい。市によると、調査結果にばらつきはあるものの、産後うつは母親の6%程度に症状がみられるという。市の担当者は「完璧を求めすぎず、子どものささやかな成長を喜べるママでいて」と呼び掛ける。(角野峻也)
- 初産妊婦宅の全戸訪問時に持って行く人形など=田原市役所で
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