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【医療】医人伝/心の病生活支援にも力

2016/12/20

 統合失調症やうつ病、妄想や暴言などを伴う認知症の治療に尽力する。「患者さんの要望を尊重しながら、最善の医療ケアや、生活支援につなげる」。退院後の社会復帰支援にも力を入れる。

 愛知県出身。高校時代に心理学に興味を持ち、精神科医を志した。秋田大を卒業後、名古屋大病院や刈谷病院で、多くの患者と向き合ってきた。初診では、1時間ほどかけて患者の話に耳を傾け、症状や生活環境、家族のことを聞き取るようにしている。「患者さんと時間をかけて信頼関係をつくることが大切。生活の状況が正確に分かれば、その後の治療がスムーズになる」と語る。

 精神科ならではの難しさに直面することもしばしばだ。「精神疾患に対する偏見はいまだに根強く、治療が遅れて重症化するケースもある」という。患者の中には、20代で発症していたのに、50代になるまで受診しなかったという男性もいた。両親が、息子の疾患のことを親戚や近所に知られないようにしたのが大きな理由だった。自宅で息子の面倒を見てきた両親が、高齢になってそれまで通りにはできなくなり、そこで初めて精神科を訪れた。

 うつ病は15人に1人、統合失調症は100人に1人が発症するとされる。うつ病は初期に治療すれば治る確率は高く、統合失調症も半数の患者が社会生活を問題なく送ることができるようになる。統合失調症で治療を続けながら、結婚、出産した女性も何人もいる。「患者だけでなく家族も病気を理解し、支えることが大切。そのためにも、心の病気を必要以上に恐れず、誰もがかかりうると分かってほしい」と力を込める。

 入院患者の場合、症状が改善しても退院後の生活にめどが立たないこともある。刈谷病院に赴任してからは、社会復帰を後押しするために患者の主体性を優先するグループホームの運営にも尽力する。定期的に医師や看護師らが訪問するが、身の回りのことはできるかぎり本人たちに任せて自立を促している。

 患者が本人や周囲の人を傷つける恐れがあるような場合、強制的に入院させた方がよいかどうかなど、難しい判断を迫られることもある。「大変さはあるけれど、患者さんが治療を重ねて回復していく姿を見ると励みになる。だから頑張れるんです」と笑顔をみせた。

          中部の最前線    347         心の病生活支援にも力    統合失調症やうつ病、妄想や暴言などを伴う認知症の治療に尽力する。「患者さんの要望を尊重しながら、最善の医療ケアや、生活支援につなげる」。退院後の社会復帰支援にも力を入れる。     愛知県出身。高校時代に心理学に興味を持ち、精神科医を志した。秋田大を卒業後、名古屋大病院や刈谷病院で、多くの患者と向き合ってきた。初診では、一時間ほどかけて患者の話に耳を傾け、症状や生活環境、家族のことを聞き取るようにしている。「患者さんと時間をかけて信頼関係をつくることが大切。生活の状況が正確に分かれば、その後の治療がスムーズになる」と語る。     精神科ならではの難しさに直面することもしばしばだ。「精神疾患に対する偏見はいまだに根強く、治療が遅れて重症化するケースもある」という。患者の中には、二十代で発症していたのに、五十代になるまで受診しなかったという男性もいた。両親が、息子の疾患のことを親戚や近所に知られないようにしたのが大きな理由だった。自宅で息子の面倒を見てきた両親が、高齢になってそれまで通りにはできなくなり、そこで初めて精神科を訪れた。     うつ病は十五人に一人、統合失調症は百人に一人が発症するとされる。うつ病は初期に治療すれば治る確率は高く、統合失調症も半数の患者が社会生活を問題なく送ることができるようになる。統合失調症で治療を続けながら、結婚、出産した女性も何人もいる。「患者だけでなく家族も病気を理解し、支えることが大切。そのためにも、心の病気を必要以上に恐れず、誰もがかかりうると分かってほしい」と力を込める。     入院患者の場合、症状が改善しても退院後の生活にめどが立たないこともある。刈谷病院に赴任してからは、社会復帰を後押しするために患者の主体性を優先するグループホームの運営にも尽力する。定期的に医師や看護師らが訪問するが、身の回りのことはできるかぎり本人たちに任せて自立を促している。     患者が本人や周囲の人を傷つける恐れがあるような場合、強制的に入院させた方がよいかどうかなど、難しい判断を迫られることもある。「大変さはあるけれど、患者さんが治療を重ねて回復していく姿を見ると励みになる。だから頑張れるんです」と笑顔をみせた。 (河野紀子)      「心の病気は誰もがかかりうる」と話す垣田泰宏さん
  中部の最前線  347 心の病生活支援にも力  統合失調症やうつ病、妄想や暴言などを伴う認知症の治療に尽力する。「患者さんの要望を尊重しながら、最善の医療ケアや、生活支援につなげる」。退院後の社会復帰支援にも力を入れる。  愛知県出身。高校時代に心理学に興味を持ち、精神科医を志した。秋田大を卒業後、名古屋大病院や刈谷病院で、多くの患者と向き合ってきた。初診では、一時間ほどかけて患者の話に耳を傾け、症状や生活環境、家族のことを聞き取るようにしている。「患者さんと時間をかけて信頼関係をつくることが大切。生活の状況が正確に分かれば、その後の治療がスムーズになる」と語る。  精神科ならではの難しさに直面することもしばしばだ。「精神疾患に対する偏見はいまだに根強く、治療が遅れて重症化するケースもある」という。患者の中には、二十代で発症していたのに、五十代になるまで受診しなかったという男性もいた。両親が、息子の疾患のことを親戚や近所に知られないようにしたのが大きな理由だった。自宅で息子の面倒を見てきた両親が、高齢になってそれまで通りにはできなくなり、そこで初めて精神科を訪れた。  うつ病は十五人に一人、統合失調症は百人に一人が発症するとされる。うつ病は初期に治療すれば治る確率は高く、統合失調症も半数の患者が社会生活を問題なく送ることができるようになる。統合失調症で治療を続けながら、結婚、出産した女性も何人もいる。「患者だけでなく家族も病気を理解し、支えることが大切。そのためにも、心の病気を必要以上に恐れず、誰もがかかりうると分かってほしい」と力を込める。  入院患者の場合、症状が改善しても退院後の生活にめどが立たないこともある。刈谷病院に赴任してからは、社会復帰を後押しするために患者の主体性を優先するグループホームの運営にも尽力する。定期的に医師や看護師らが訪問するが、身の回りのことはできるかぎり本人たちに任せて自立を促している。  患者が本人や周囲の人を傷つける恐れがあるような場合、強制的に入院させた方がよいかどうかなど、難しい判断を迫られることもある。「大変さはあるけれど、患者さんが治療を重ねて回復していく姿を見ると励みになる。だから頑張れるんです」と笑顔をみせた。 (河野紀子) 「心の病気は誰もがかかりうる」と話す垣田泰宏さん

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