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【三重】伊勢志摩サミット 志摩の医療に強力助っ人
2016/05/26
三重大生の「しまうま」市民病院夜間診療で活躍
三重大医学部(津市)の学生グループが、志摩市の市民病院の夜間診療で医師や看護師をサポートしている。伊勢志摩サミット開催中は市の夜間応急診療所がなく、市民病院が対応する一次救急に協力する。病院と学生たちが地域の医療を支えている。
グループは医学部5、6年生の12人で3月に結成した「しまうま」。昨年、市民病院で実習した六年の遠藤啓孝(ひろたか)さん(24)=津市=が、同院で実習経験があった同級生らに声を掛けた。グループ名は「志摩の救急がうまくいくように活動する」の意味という。
実習で指導を受けた江角悠太院長(34)から、人手が足りず夜間診療ができない現状を聞いていた。市民病院は2年ほど前まで夜間も診療していたが、医療従事者の不足などで対応できなくなっていた。「救急の患者を診ることができれば、安心して暮らせる街になる」。当時は総合診療科医だった江角院長の言葉に共感し、サポートを考えたという。
学生は医師や看護師の資格がないため、診療に訪れた患者の受け付けや介助などを担当。グループの協力もあって市民病院では今月7日から毎週土曜日に夜間診療を再開できた。患者がいない時間には江角院長から除細動器など医療機器の使い方を教わり、地域医療の現状を聞くこともある。
志摩市では現在、賢島に近い県志摩庁舎で週4回の夜間診療を設けているが、サミット開催による混乱を避けてこの週末までは2回に減らす。7キロほど離れた市民病院ではこれを補う形で28日まで、夕方または夜から翌朝にかけて夜間診療を受ける。期間中は計5人の学生が交代でサポートに入る。
江角院長は「サポートはうれしいこと限りない。医学生は患者さんから学べることもある」と歓迎。遠藤さんは「実習まで患者さんと関わることはほとんどなかったが、診察ではうれしそうにしてくれる人がいた。今回のサポートも、地域の人たちに少しでも役に立てたらいい」と話した。(大沢悠)
- 江角院長(右)から除細動器の使い方を教わる遠藤さん=志摩市の志摩市民病院で
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