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【くらし】わたしの転機/後輩が運営する介護者支援施設でボランティア

2016/02/24

看護師の経験基に助言

 元看護師の鈴木邦子さん(69)=名古屋市千種区=は2年前から、家族を介護する人を支援する「ケアラーズカフェ」でボランティアをしている。昼食作りの傍らで、看護師経験を生かした健康相談にも応じる。カフェを運営するのは元同僚の女性。20年ぶりに再会し、女性の意欲に触発されたのがボランティアを始めたきっかけだった。

 ◇ ◇ ◇

 2カ所の総合病院で長く看護師を務め、65歳で退職したとき、かつての部下が退職祝いの食事会を開いてくれました。そこで、20年前に新人看護師だった女性と再会しました。

 彼女は、結婚を機に看護師を辞めていました。でも「近くケアラーズカフェを開く」と言うんです。触発されて「私も手伝うわ」と、その場で申し出ました。看護師になりたてだった女性が、さまざまな経験をして、今も精力的に活動する姿に心が動かされました。

 カフェでは、調理の補助などをしながら、健康診断のデータの見方を教えたり、食生活が貧しくなりがちな男性介護者に、手軽に栄養を補給できる食事について助言したりしています。私のアドバイスを目当てに訪れる人もいて、励みになっています。

 看護師として働き始めたのは愛知県がんセンターでした。40歳で、病棟全体に目配りする立場の看護師長に就きました。すべての患者を見て回り、精神的に疲弊している人のところには何度も様子を見に行きました。

 当時はまだ、がん患者に告知しませんでした。患者は「自分は病状が重いのではないか」と不安になり、家族に疑問をぶつけます。でも家族は明かせず、深く悩むことが多かった。患者はもちろんですが、家族をサポートする大切さを痛感し、できるだけ家族の声に耳を傾けました。

 話を聞くしかできないこともありますが、疑問や不安を吐き出すだけで心の負担はやわらぐと感じました。そんな経験から、介護を受けている人だけでなく、介護している人の支援も同じように欠かせないと思ったんです。

 私自身も63歳のとき、脳梗塞になりました。頭痛などの前兆はありませんでしたが、声が出にくくなったのが気になり、検査を受けると細い血管が詰まっていた。素早い治療が功を奏し、後遺症はありません。カフェでは早期受診の大切さも訴えています。介護している人は、つい自分の健康をないがしろにしがち。これからも体験を還元していきたいですね。

  聞き手 諏訪慧

ケアラーズカフェの利用者に笑顔で話しかける鈴木邦子さん=愛知県春日井市で
ケアラーズカフェの利用者に笑顔で話しかける鈴木邦子さん=愛知県春日井市で

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