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【医療】広がる保健室(上)/街角で学生が健康支援 地域医療人材も育む

2016/01/26

 高齢化が進む中、学校の保健室のように地域住民が気軽に立ち寄って簡単な健康診断を受けたり、体のことを相談したりする施設が各地に設けられている。大学や地域と連携して、住民の健康寿命を延ばす取り組みを支援しながら、将来の地域医療を担う人材育成を図るなど、それぞれ地域のニーズを踏まえた活動を展開している。中部地方各地の取り組みを、2回にわたって紹介する。 (佐橋大)

 ◇ ◇ ◇

 「体重が少し、多いですね。日ごろ運動をしていますか」。体重計に乗った女性高齢者に、男子学生が尋ねた。高齢者たちは、身長や体重、血圧のほか、専用の測定器具で骨密度や血管年齢も測り、塩味が付いた紙をなめて塩分の感じ具合もチェック。結果を基に、学生や教員から日常生活での注意点などを聞いた。参加した団地近くに住む女性(75)は「2年前に夫が先立ち、健康への関心が強まった。体の状態が詳しく分かった」と、ほほ笑んだ。

 これは昨年12月、名古屋市緑区の鳴子団地内にある「なごやか暮らしの保健室」で開かれた健康測定会の様子。学生たちは、保健室を中心となって運営する名古屋市立大などで看護や薬学を学ぶ学生たち。測定会を自ら企画し開催した。

 団地の高齢化率は四割を超えており、ほぼ半数の所帯が独居。保健室は、都市型高齢化が進んだこの団地に2014年6月にオープンした。保健師で保健室の副室長を務める山本美由紀さんは「学生が地域や高齢者への理解を深めながら、住民が元気に暮らし続ける活動をする拠点にしていきたい」と狙いを説明する。

 平日の昼間、保健師が住民の相談に応じている。散歩途中に、ふらりと血圧測定に立ち寄る住民もいる。学生たちも授業の一環として保健師と一緒に健康相談に乗ったり、ボランティアで保健室の催しを企画、運営したりしている。名市大看護学部二年の伊藤千草さんは「将来、保健師として地域にかかわりたい。年齢だけでくくって高齢者と言っても、とても元気な人もいれば、悪いところがある人もいる。人ぞれぞれということが実感できる」と話す。

 同様に高齢化が進んだ愛知県豊明市の豊明団地。昨年四月、一階の空き店舗を活用して、同市の藤田保健衛生大が独立行政法人都市再生機構(UR)などと協力し「ふじたまちかど保健室」を開設した。

 同大医療科学部リハビリテーション学科の都築晃講師(40)は「入院が短くなった分、患者や家族との会話から普段の生活環境を把握できる機会も減った。地域の実情を知り、退院後の生活をイメージして助言できる人材を育てたい」と保健室に期待する。

 平日の昼間は、同大の教員が住民の健康相談に応じるほか、教員らによる「かゆみと肌の乾燥」「むくみの改善」などのミニ講座もほぼ毎日、開かれる。1日平均14人の住民が訪れている。地域に住み、ボランティアで来客対応などを手伝う守屋道子さん(75)は「健康相談ができて安心できる。来るたびに勉強になります」と話す。

 昨年4月からは、学生18人が団地で暮らす。授業がある平日の活動には参加できないが、1人暮らしの高齢者との食事会に参加したり、団地内のウオーキングマップを作ったりしている。同部看護学科3年の愛敬(あいけい)小百合さんは「地域の雰囲気を肌で感じられるのは貴重な経験」と、保健室での活動に手応えを感じている。

会場を訪れた住民たちの血圧などを測る学生たち=名古屋市緑区の「なごやか暮らしの保健室」で会場を訪れた住民たちの血圧などを測る学生たち=名古屋市緑区の「なごやか暮らしの保健室」で
会場を訪れた住民たちの血圧などを測る学生たち=名古屋市緑区の「なごやか暮らしの保健室」で会場を訪れた住民たちの血圧などを測る学生たち=名古屋市緑区の「なごやか暮らしの保健室」で
「かゆみと肌の乾燥」などについて学ぶミニ講座=愛知県豊明市の「ふじたまちかど保健室」で
「かゆみと肌の乾燥」などについて学ぶミニ講座=愛知県豊明市の「ふじたまちかど保健室」で

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