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【愛知】ドクターヘリ 出動に難色 転院で愛知医大 運用の課題浮上

2015/11/17

 県の委託でドクターヘリ一機を運用している愛知医科大病院(長久手市)が10月、別の病院と病院の間で救急患者を転院させるための出動要請に難色を示したことから、患者が救急車で約1時間かけて搬送される事態があった。転院元と転院先の両病院は「容体が急変する可能性もあった。医療倫理上、疑問だ」と県にヘリ運用の見直しを求めている。 (赤川肇)

 ◇ ◇ ◇

 ドクターヘリの運航要領には、患者の搬送先について取り決めはなく、病院間の連携のあり方に一石が投じられた形だ。

 患者は一宮市の女子高校生(17)。10月29日午前7時ごろ、市内で交通事故に遭い、一宮市立市民病院に救急搬送された。

 一宮の担当医によると、患者は膵臓(すいぞう)を損傷し、大掛かりな緊急手術となる可能性を念頭に、規模の大きい病院に転院させる必要があると判断。知り合いの救急医がいる藤田保健衛生大病院(豊明市)の了承を得た上で、同10時ごろ、愛知医大にヘリによる搬送を要請したが、同意を得られなかった。

 藤田によると、患者は救急車で運ばれて手術を受けた。容体は快方に向かっている。

 愛知医大によると、一宮からの情報を基に「容体は安定しており、重症感はない」と判断。その一方で、「緊急性があるなら、うちで受け入れる」とヘリで愛知医大に運ぶことも提案した。

 ドクターヘリの運用を担当する救命救急科の武山直志教授は「患者のことを考えれば藤田より近い愛知医大に運んでほしかった。要請を断られたと言われるのは心外」と話す。

 一方、ヘリ出動を要請した一宮の担当医は「受け入れ先は藤田に決まっていると伝えたが『愛知医大なら受け入れる』という返答だった。断られたと認識している」と説明。「今回の事例を教訓に、ドクターヘリによる患者の転院についてルールを明文化してほしい」と訴える。

 一宮の松浦昭雄院長と藤田の湯沢由紀夫病院長は13日、県保健医療局の松本一年局長に「県民の生命、健康に重大な影響が出かねない。より公明、公正にドクターヘリが運用されるよう制度を再検討してほしい」と書面で要請。だが、県医務国保課の担当者は「まず3者間で話し合ってもらい、その結果として必要があれば運航要領を見直す可能性もある」と静観する姿勢を示している。

【ドクターヘリ】 厚生労働省が2015年8月時点で道府県に計機を配備。愛知県では年1月、愛知医科大を基地病院として運用が始まった。年度の出動は377件(現場救急257件、転院搬送件、途中取り消し106件)。年間の運用経費は約2億円で、国と県が折半している。

愛知医科大病院に駐機するドクターヘリ=長久手市で
愛知医科大病院に駐機するドクターヘリ=長久手市で

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