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【社会】マイナンバーカード普及狙い 患者の顔認証機器 国が負担

2019/12/23

医療機関、薬局 22万カ所

 マイナンバーカードを使って診療時の本人確認と保険資格確認をオンラインで行うため、医療機関が導入する顔認証機能付きカードリーダー(読み取り機)の費用を国が全額負担することが、2020年度予算案で分かった。カードの普及率は15%に満たず、従来の健康保険証での確認も併用されるため、専門家らからは「リーダーが無用の長物になる」「カードを普及させるためだけの公費負担は無駄」との批判が出ている。(安藤淳)

 10月1日施行の改正健康保険法に基づき、政府は早ければ21年3月にも、マイナンバーカードを保険証として使えるようにする。22年度末までにほぼ全ての医療機関などでカードの導入を目指しており、保険証を突破口にカードの普及を図る狙いだ。

 計画では、病院の窓口に置く読み取り機にカメラ付きの顔認証システムを組み込み、患者本人がカードをかざして情報を読みとらせる。保険資格確認用のサーバーで照合するとともに、カードの顔写真で本人確認も行う。

 顔認証システムは既にNECやパナソニックが実用化しており、機器は全国22万以上ある医療機関・薬局のほぼすべてに無償で交付する。ただ一般のマイナンバーカードリーダーは3000円前後なのに比べ、1台約9万円と高額となることが想定される。

 政府は本年度、医療機関・薬局のオンライン確認システム整備と電子カルテシステム導入を支援する「医療情報化支援基金」に300億円を計上。来年度予算案には顔認証機器の購入費と、医療機関がシステムを改修する際の補助費として計768億円を盛り込んだ。

 厚生労働省の担当者は「マイナンバーカードは保険資格の確認だけでなく、他人になりすましての保険証の不正利用防止にも有効」と説明。カード普及率が低迷していることには「社会基盤整備としてカード取得促進と医療機関への導入の両方に役立つ」とする。

 これに対し、白鷗大学の石村耕治名誉教授(税法)は「使い捨てパスワードを使ったスマートフォンでの2段階認証が主流なのに、カードを使った時代遅れの技術に多額の税金をつぎ込もうとしている」と批判。顔認証技術についても「欧米では個人情報保護の観点から規制を考える時代に入っているのに」と指摘している。

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