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【愛知】患者の生きる意味取り戻せるケアを 三重大で末期がんの大橋さん
2019/10/24
「緩和ケア医が、がんになって」(双葉社)を出版した海南病院(愛知県弥富市)の医師で、末期がんと闘う大橋洋平さん(56)=木曽岬町在住=が23日、母校の三重大医学部(津市)で講演し、「患者が生きる意味を取り戻せるケアを」と学生らに訴えた。
大橋さんは昨年、希少がんの消化管間質腫瘍と診断され、胃を切除。今年4月に肝臓への転移が分かり、治癒の可能性がなくなった。患者の苦痛を和らげる立場の緩和ケア医から、1人の患者となり、その苦しみは想像を超えたという。だが、がんになったからこそ出会えた人や、始められたことに生きがいを感じるようになった。
「緩和ケア医が、がんになって」はその思いや経緯などをつづり、話題に。現在は抗がん剤治療を受けながら、医師としてパートで働き「患者になって分かったことを体が動く限り伝えていきたい」と精力的に講演を続けている。
約200人の学生らを前に、大橋さんは「患者がうれしいと思えるケア」の大切さを強調。「患者が『この人は分かってくれている』と思えたら、やる気になれるし、生きる意味を取り戻せる。そんなケアの技術を磨いて」と呼び掛けた。
27日午後1時半からは、名古屋市中区栄4、愛知県医師会館でのシンポジウムで「患者の気持ちに寄り添うケア」をテーマに講演する。無料。申し込み不要。(問)日本尊厳死協会東海北陸支部=052(481)6501
(安藤明夫)
- 「患者がうれしいと思えるケアが大切」と医学生や看護学生に呼び掛ける大橋さん=津市の三重大医学部で
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