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【健康】患者増加 潰瘍性大腸炎 症状抑えて再発防ぐ 

2019/06/25

体調管理への支援大切
製薬会社が情報サイト

 大腸の粘膜に炎症が起き、ただれや潰瘍ができる潰瘍性大腸炎(UC)。国の難病に指定されており、患者数は現在、20万人前後と推測。ここ10年で2倍に増えた。主な症状は粘液と血液が混じった粘血便や下痢で、ひどくなると1日に何度もトイレに駆け込まないといけない。治療が長期に及ぶため、心身両面での支援が必要とされる。(花井康子)

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 1年前、名古屋市西区の不動産会社社長の男性(46)は、腹痛と下痢が続き、食事が取れないように。下血もあった。内視鏡検査の結果、UCと診断された。

 UCに根本的な治療法はない。炎症は肛門に近い直腸から次第に上へ広がる傾向があり、結腸まで及ぶことも=図上。大腸全体に炎症が広がっていた男性は総合病院の消化器内科に入院。1カ月間、絶食して炎症を抑えるステロイドの点滴などを受けたが、下痢は治まらなかった。転院し、免疫抑制剤を服用すると、効果が出た。今は症状が落ち着いた寛解の状態にある。

 UCは若い人から高齢者まで男女関係なく発症するが、多いのは20~30代の発症だ。免疫の働きの異常や腸内細菌の関与、食生活、喫煙、遺伝などが原因と考えられるが、はっきりしない。以前はまれな疾患とされていたが、今は同じ消化器の胃がんや大腸がんに並ぶほど患者が増えた。一方、専門医は少なく、適切な診断や治療を受けづらい点が問題になっている。

 完治しないため、寛解の状態を長く保つことが鍵になる。患者の半数は寛解と再発を繰り返す。ステロイドを用いた治療を勧める医療機関が多いが、専門医で医療法人錦秀会インフュージョンクリニック(大阪)院長の伊藤裕章さん(66)は「ステロイドに寛解維持の効果はない」と指摘。長く服用すれば、多汗や不眠といった副作用も心配だ。

 ここ数年は新薬が相次いで登場。治療の選択肢が増えつつあり、以前に比べて再発は防ぎやすくなったとされる。しかし、患者は定期的に内視鏡検査を受ける必要がある。炎症が見つかれば、その都度、それを抑える薬を投与して対処しないといけない。伊藤さんによると、大腸全摘など外科手術に至る例もあるが、多くの場合はこうした内科治療で避けられるという。国の難病に指定されているため、症状によっては医療費の助成も受けられる。

 闘病が長期にわたることから、患者数が増えている今、精神面も含めた幅広い視点からの支援の必要性が叫ばれている。同クリニックでは医師や看護師、カウンセラーらがチームを組んで支援。薬の服用状態や副作用の確認、刺激物を控えるといった食事指導を行っている。自分で体調管理をできるようにし、再発の予防につなげるのが目的だ。

 この病気の特徴は、進学や就職、結婚といった人生の節目を迎える世代に患者数が多いこと。胎児に影響を与える薬を避けるなどすれば妊娠、出産も可能だ。看護部課長の阪上佳誉子さん(52)は「結婚や出産といった人生の出来事と治療を両立できるよう、日常生活にも目を配って支えることが大切」と話す。

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◆製薬会社が情報サイト

 製薬会社ファイザー(東京)は5月、潰瘍性大腸炎の患者や家族向けの情報サイト「UC Tomorrow」を開設した。不安を解消し、前向きに治療に取り組んでもらうのが目的。症状や治療の流れ、薬の種類などについて、Q&A形式で紹介している。

 「患者はどれくらいいるの?」「医療費の助成を受けるには?」「どうしたら悪化を防げる?」など、治療の段階ごとに、よくある質問を提示。クリックすると回答が読める。

 相談したいことや症状などを列挙したチェック欄付きのシートも。印刷して医療機関に持参すれば、効率的に医師に相談ができる。サイトは「UC Tomorrow」で検索。

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