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【社会】若年がん　年２万人超　初集計　血液や生殖器多く

2018/05/30

　国立がん研究センターは２９日、１５～３９歳の思春期・若年世代でがんと診断される人の数が年間２万１４００人に上るとの推計結果を発表した。がんの種類別では血液や生殖器のがんが多く、３０歳を過ぎると女性の乳がん、子宮頸（けい）がんの増加が目立った。この世代のがんの詳細なデータが明らかになるのは初めて。

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　若いがん患者は、就学や就職、結婚など特有の悩みを抱えることが多いほか、小児や中年以降の患者に比べ、治療法開発や支援が遅れている。センターの片野田耕太がん統計・総合解析研究部長は「がんの種類や患者数を自治体や医療機関が把握し、診療体制の整備に活用してほしい」と話している。

　センターは２００９～１１年に、愛知、岐阜、長野、滋賀などを含む２７府県から集まった地域がん登録データを基に、０～１４歳の小児がんと１５～３９歳の思春期・若年世代のがんの患者数を調べた。

　この結果、０～１４歳は２１００人、１５～１９歳は９００人、２０代は４２００人、３０代は１６３００人が１年間にがんと診断されることが分かった。中高年を含めた全年齢では約８０万人。１５～３９歳は同世代の約０・０６％が、がんと診断されていることになる。

　０～１４歳で最も多いのは白血病、２位は脳腫瘍、３位はリンパ腫で、ほとんどが成人ではまれながんだった。１５～２９歳では白血病や卵巣・精巣がん、甲状腺がんやリンパ腫が多かった。３０代になると成人に多いがんが増え始め、特に女性の乳がんや子宮頸がんが目立った。

　政府が昨年まとめた第三期がん対策推進基本計画は、思春期・若年世代のがん診療体制や支援を強化する方針を打ち出しており、今回のデータは、体制整備や治療薬開発の優先度を把握することなどに使われる。