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【愛知】看護学生自分の髪でかつら 豊明の専門学校がん患者に贈る

2014/12/12

 藤田保健衛生大看護専門学校(豊明市)の学生が、自分の髪で作ったウイッグ(かつら)をがん患者に提供する取り組みに参加した。がん患者、特に女性にとって、抗がん剤や放射線治療の副作用による脱毛は大きな悩みだ。学生たちは髪を通じて、自分たちが患者の役に立ったことを実感した。 (戸川祐馬)

 ◇ ◇ ◇

 女性のがん患者を支援するNPO法人「キャンサーリボンズ」(東京)が2008年から始めた取り組み。今年は全国の看護専門学校7校に呼び掛け、84人が協力を申し出た。藤田保健衛生大看護専門学校の参加は10年に次いで2回目。

 2、3年生の学生30人は今年2月から髪を伸ばし始め、少しでも髪を傷めないよう染めたりパーマをかけたりせずに手入れしてきた。最終的に26人が20センチ以上伸ばして七月に切った。髪は医療向けウイッグメーカー「スヴェンソン」(東京)により、患者の要望を聞いた上で、ウイッグに仕上げられた。一部の患者には11月下旬に引き渡された。

 同専門学校では3日に患者と学生との対面式があり、藤田保健衛生大病院で治療を受け、ウイッグを受け取った患者10人のうち5人が実際にウイッグを身に付けて来校した。乳がんで今年8月から抗がん剤治療を受ける知立市の上柳さん(45)は「髪がない姿は年を取ったようで、家族にすら見せたくなかった。下を向いていたが、ウイッグをいただけて上を向いて歩けるようになった」と気持ちの変化を明かした。

 学生はおしゃれをしたい年頃。1年の山本さん(20)は「髪を伸ばしている間は染められなかったので、友達が茶髪にしているのをうらやましいと思うこともあったけれど、私がやめたら患者さんが悲しむと思った」と振り返る。その上で「こんなに喜んでもらえるなら来年も頑張ろうと思う」と話す。3年の鈴木さん(20)も「患者さんが前向きになれるように支えるのも看護師の大事な仕事」と語り、将来現場で働く上で指針となるものを学んだようだ。

 国立がん研究センターによる調査では、抗がん剤治療を受ける女性の悩みの第1位は脱毛。医療向けのウイッグは10万円以上するなど、高額治療費を負担する患者が手に入れるのは難しいといわれる。この取り組みではス社が製作費を負担している。

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