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【三重】聞く/全国男性看護師会を設立 前田貴彦さん(40)

2014/09/14

「ナースマン」の悩み
少数派 交流深めたい

 「女性の輝く日本」を掲げる安倍政権が内閣改造で女性5人を入閣させる中、男性も輝く職場づくりを三重から目指しているのが、男性看護師の支援組織「全国男性看護師会」を4月に設立した県立看護大の前田貴彦准教授(40)だ。9割を女性が占める看護の現場で、「ナースマン」はどんな悩みを抱えているのか。現状と課題を聞いた。(河郷丈史)

 -男性看護師の現状は。

 全国の看護師のうち、男性の占める割合は6・2%。世間的には女性の社会進出が注目されているが、看護界では男性がマイノリティー(少数派)だ。学校を出て病院の小児病棟に入ったとき、男性看護師は自分一人しかいなかった。同期も先輩もみんな女性。うまく言えないが、仕事の悩みなど、異性にはなかなか打ち明けにくいもの。もちろん人にもよるが、男性と女性では興味の対象も、雑談の話題も違ってくる。

 -全国男性看護師会をつくろうと思ったきっかけは。

 看護学生だったころ、男性看護師同士の集まりができないかと思っていた。看護の道を選んだものの、モデルとなる先輩が身近におらず、将来像が見えない。男性看護師の仕事は女性と同じなのか、それとも違うのか。どんなふうに働いているのかも分からない。看護師になってからも、将来のことについて話し合う仲間も少ない。男性看護師が互いに交流を深め、悩みを共有したり、情報を交換したりするコミュニティーをつくりたいと考えていた。

 -設立の経緯は。

 県立看護大の講師だった2011年10月、県内の主な病院に案内を出し、初期メンバー5人で三重男性看護師会の準備委員会を立ち上げた。その後、メンバーの入れ替わりもあったが、12年11月に三重男性看護師会が発足した。

 いつかは全国に広げようと考えていたが、きっかけの一つは13年11月に津市で開いたシンポジウムだ。男性看護師らが課題や現状を発表する内容で、県内で働く看護師に加え、北海道や九州、北陸、関東など全国からも111人の参加があった。男性看護師のコミュニティーを求めている人がたくさんいるんだと感じ、今年4月に全国男性看護師会に名称を変更した。会員は80人で、半数は県外だ。

 -男性看護師の強みは。

 男性だからできるとか、できないとか、そういうものはないと思っている。ただ、患者には男性も女性もいる。小児病棟に勤務していたとき、入院中の小学生の男の子が女性看護師に体を拭かれたりするのを恥ずかしがり、「お兄ちゃんがいい」と指名してくれた。すごくなついてくれたし、母親からもお礼を言われた。男性、女性の両方の看護師がいれば、患者のニーズに合わせた看護ができるようになる。

 -今後の活動方針は。

 これからも定期的にシンポを重ね、男性看護師同士の交流を深める。8月には看護師を目指す高校生や大学生を対象にサマーキャンプを開催し、先輩看護師と交流する機会を設けた。これからも看護師を目指す人たちの支援を続けたい。男性看護師の実態を把握するための研究活動にも取り組みたいと思っている。

    ◇

 1974(昭和49)年、津市生まれ。三重大医療技術短期大学部(現三重大医学部看護学科)と県立看護短大(現県立看護大)で学び、三重病院(津市)の小児病棟に勤務。県立看護大で講師を務める傍ら、大阪大大学院医学系研究科で小児看護を専門的に学び、12年3月に博士後期課程を修了。同年4月から准教授となった。

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