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中日新聞 進学・医療・福祉NEWS

【愛知】わが校の先輩/日本福祉大准教授・武田啓子さん(50)

2014/05/11

半田市半田小

 日本福祉大半田キャンパスの健康科学部リハビリテーション学科で介護福祉士や社会福祉士を目指す学生を指導しています。学生には、専門的な技術や知識を身に付けるだけでなく、人への思いやりや配慮を働かせる姿勢を大切にしてほしいと願って接しています。

 今は教員をしていますが、最初の職業は看護師です。高校3年の春、看護の専門学校に進学することを決めました。当時、多くの同級生は大学に進むのが当然という雰囲気。でも、自分の人生を自分で選びたいという気持ちから、以前から就きたい職業の1つだった看護師の道を志し、旧国立名古屋病院付属名古屋看護助産学校に進みました。

 2年生の時、看護実習で忘れられない体験をしました。私が受け持った患者の1人、末期がんのおじいさんとの関わりです。

 初日、私がおじいさんの体を蒸しタオルで拭いた時です。「熱いじゃないかっ」。いきなり怒鳴られました。授業や教科書で学んだ通りにしたのですが、闘病生活で体が弱っていたおじいさんにとっては快適な温度ではなかったのです。正直、心にグサッときました。

 その後、毎日おじいさんから細かい指摘を受けました。血圧を測る際には「腕がきつい」と言われ、自分の加圧が強すぎると気づきました。逆に、言われたことに注意して次の機会に生かすと褒められました。

 この繰り返しで学んだのは「患者にとって何が必要なのか」を常に考える姿勢の大切さでした。体力や病状、当日の気分など、さまざまな情報を敏感につかんで対応しなければ、快適さをもたらすための行為が負担になってしまうこともある。そうならないよう、患者の「個別性」に配慮するのが自分の役割なのだと分かりました。相手の内面を理解して、求められていることを果たす。今、学生に教えている介護やリハビリテーションにも通じる教訓になりました。

 2週間ほどの受け持ちが終わる際、おじいさんは「きついことを言ったけど、君のためを思って言ったんだよ。いい看護師さんになってね」と声を掛けてくれました。その後、違う病棟で実習をしている時におじいさんは危篤に。言葉を話せなくなったその手を泣きながら握り、最後のお別れをしました。

 今の子どもたちには、人の中身を見つめる姿勢を大切にしてほしいと思います。細かい言葉や表情などから「あれ、何でかな」「いつもと違うな」と気づき、相手の本当の気持ちを理解する。そんな思いやりをもった人になってほしいです。(聞き手・大久保謙司)

 ◇ ◇ ◇

【たけだ・けいこ】
 1963(昭和38)年10月、半田市生まれ。半田小、半田中、半田高、国立名古屋病院付属名古屋看護助産学校(現独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター付属名古屋看護助産学校)を卒業して看護師に。半田常滑看護専門学校や日本福祉大高浜専門学校の講師などを務め、2013年3月に看護学博士号取得(聖隷クリストファー大)。13年4月から日本福祉大健康科学部リハビリテーション学科准教授。家族は夫と1男1女。半田市岩滑高山町。

    ◇

◆母校は今~後輩より

 半田市半田小児童会長の渡辺さん(6年) 私の学校の校訓は「なかよく すすんで ほがらかに」です。明るい学校をつくるため、児童自らがいじめを防ぐための新しい仕組み「フレンドレンジャー」を6月中に始める予定です。活動を通し楽しい学校にしていきたいです。

(知多版掲載)

「人の中身を見つめる姿勢を大切に」と話す武田さん=半田市東生見町の日本福祉大半田キャンパスで

「人の中身を見つめる姿勢を大切に」と話す武田さん=半田市東生見町の日本福祉大半田キャンパスで

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