中日新聞 CHUNICHI WEB

医療・看護・介護・福祉系の学校を目指す方・高校生の進学情報

無料会員登録

  • トップ
  • 学校情報
  • オープンキャンパス
  • 進学ガイダンス

中日新聞 進学・医療・福祉NEWS

【石川】私も乳がん 患者の勇気に がん医院看護師 ブログに体験

2017/05/29

 患者として向き合うがんは全然違った−。金沢市内の乳がん専門医院に勤める看護師、高橋美奈子さん(44)=同市=が乳がんになり、ブログで体験をつづっている。がんを理解している自信はあったが、発見ばかり。他の人の参考になればと発信を始めた。「正しい知識を持ち、自分らしい人生を歩むヒントになれば。がんだから人生終わり、のイメージをなくしたい」 (日下部弘太)

■ 配慮ない告知

 判明したのは昨年11月。右胸のしこりが気になり、何かあれば通っていた病院を受診。1週間後、細胞検査で確定診断が出た。

 初診で医師が「悪い物やろうね」とばっさり。「一般の人がいきなり言われたら、どう感じるか」。気遣いのない言葉に憤る。医師は「手術する病院を決めておいて」「抗がん剤治療を先にすると思う」と立て続けに。「専門医でも治療の考え方はいろいろ。簡単に決めてしまっていいのか」。強引さにも失望した。

 自分の反応も意外だった。最初に思ったのは「まさか」「死ぬんや」。元気な患者をたくさん見ていたのにがんは重かった。帰宅し、夫に泣きながら「ごめんね」と伝えた。専門医院に勤めていてさえ、がんのイメージの暗さに影響されていると思い知った。

◆自分が実験台

 「自分を実験台に、治療に挑む」。ショックから1日で復活し、ブログにも書き始めた。勤務先の「ふたば乳腺クリニック」での手術から職場復帰、薬や放射線による治療と、詳しく伝える。費用や胸の写真まで載せる徹底ぶりだ。

 患者に寄り添ってきた自信はあるが、それでも「ひとごとだった」と苦笑い。今は、患者の術後の痛みに心から共感しつつ「3日我慢して。少しやわらぐから」と言える。

◆「賢い患者に」

 がんになっても人生は続く。だからこそ「治療で後悔してほしくない。医師任せではなく、質問ができ、一緒に治療に向き合える賢い患者になってほしい」。ブログは高橋さんの名前で検索。

◆女性 12人に1人 治療しつつ就労継続課題

 日本人女性の乳がんは増えており、12人に1人がかかるとされる。診断から5年後の生存率は9割超、10年後も8割超と、がんの中では比較的高い。ほかのがんとともに、治療しながら働き続けられる環境の整備は大きな課題だ。

 乳がんは、年間4万人が新たに発症する。30代後半から急増し、40〜50代でピークを迎えるとされる。国立がん研究センターの調べで、診断治療の開始から5年後に生きている人の割合は93.6%、10年後の場合は81.7%。

 他部位のがん患者を含めた2013年の実態調査では、会社などに勤める人の30%が依願退職し、4%が解雇されていた。割合は10年前と変わっていなかった。自営業でも17%が廃業していた。国は拠点病院に就労の専門家を置くなど対策を試みている。

 早期発見では、国は40歳以上を対象に2年間に1回、乳房をエックス線で撮影するマンモグラフィー検査を推奨し、各自治体が公費で助成。13年の検診受診率は全国で34.8%。近年は増加傾向にあるが、70〜80%台で推移する欧米に比べて低い。

最近の中日新聞進学・医療・福祉NEWSバックナンバー