2008/09/22
航空宇宙産業に携わる人材の育成を図る経済産業省のプログラムの最終回が20日、関市迫間の中日本航空専門学校であった。
中小企業の技術の底上げを狙いに本年度から始まった同省の「中小企業産学官連携製造中核人材育成事業」の中のプログラム。全国で約60ある中、航空機産業としては唯一のプログラムで、第3セクター「ブイ・アール・テクノセンター」や県、岐阜大、川崎重工業などが中心となって進めてきた。
航空機産業は企業の細分化が進み、設計、製造両方のノウハウを知る人材が特に不足している。そのためこのプログラムでは、専門以外の分野や、機体製作工程全体の知識の強化を重点に置いた。受講者は愛知、岐阜県の航空機関連メーカー約30社から派遣された社員。7月から週2回、岐阜大や同専門学校から講師を招き、生産技術法や部品の組み立て方などを学んだ。
最終日はアルミニウム板の主翼表面に均一にラッカーを吹き付ける作業に挑戦。航空機部品メーカー(各務原市)社員の田村貴裕さん(33)=愛知県小牧市=は「航空機の原理、原則を再確認できた。新しい分野にチャレンジする際、絶対に役に立つ」と受講の成果を述べていた。
今回は国の補助を受け、受講料が無料であったこともあり、多くの参加が得られた。来年度以降はプログラムの自立化が求められており、受講者の確保や採算性などが課題となる。
(中尾吟)
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