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【福井】内定率全国下回る 「氷河期」超える就職難

2010/01/16

 2000年前後の「就職氷河期」以上といわれる大学生の就職難が、雇用環境の良さが特色の県内でも深刻化している。県内の大学の今春卒業予定者の就職内定率は昨年11月末現在で69・9%と、14日発表の全国平均を3・2ポイント下回った。卒業まで残り2カ月余り。県は就職先を得られない学生の支援事業を検討している。

 大卒者の11月末現在での就職内定率が70%を割るのは5年ぶり。同期の内定率が85・0%で全国最高だった高校生とは対照的な結果だ。

 県労働政策課によると、県内企業は慣例的に高校生用に一定の採用枠を確保しており、08年秋以来の経済不況の影響が直撃している09年度も大きな変動はなかった。だが、大学生の就職戦線は、不況による採用枠の縮小に加え、県外に進学したUターン組が例年以上に増えたことで激化。「外海」を経験し即戦力の期待がかかるUターン組に軍配が上がることも多いようだ。

 一方で、福井大の就職支援担当者は学生の内面の変化も指摘する。「おとなしすぎる学生が増えている。企業からは『求人票は出せないけど、飛び込みで来るような学生ならば採りたい』という声も聞くのだけど…」

 県と福井労働局は、3月卒業者向けとしては異例の2月3日に、福井市の県産業会館で90社規模の合同面接会を開催する。県労働政策課の担当者は「面接会で1人でも多くの内定者が出ればいいが、その次のことも考えねばならない」と、未就職者を支援する具体策を急いでいる。

 (谷悠己)