2010/01/08
住居のない人を対象に名古屋市が用意した無料宿泊所は7日朝、開設期間を終え閉鎖された。派遣切りが相次ぎ入所者数が膨れあがった前年は閉鎖後、行き場を失った相談者が中村区役所に押し寄せたが、今年は入所者数が半減したことなどから混乱はなかった。 (小中寿美)
無料宿泊所は港区船見町の「旧船見寮」に12月29日から1月7日まで開かれ、211人が利用した。
市保護課によると、このうち日雇い労働者ら71人は6日までに退所。残りの140人は7日朝、バス・地下鉄の1日乗車券を受け取り、元いた場所に戻ったり、各区役所へ相談に行ったりした。
前年は、無料宿泊所閉鎖後の一時的な受け入れ先として市が用意した緊急宿泊所が満員となって受け入れを打ち切り、騒ぎになった。今年は旅館と契約して136人に対応できるが、今のところ定員に達していない。
7日相談に応じた中村区役所は、前年に通常の窓口が混雑したことを踏まえ、2階の講堂を活用。夕方までに無料宿泊所から約50人が訪れ、相談はスムーズに進められた。
一方、区役所前で行われる昼の炊き出しには、昨年12月の平均よりやや多い80人が並んだ。このうち約20人は無料宿泊所を出た人たちだった。
おにぎりとみそ汁を提供したボランティア団体「おにぎりの会」の岩田朝子さん(64)は「寒さも厳しくなる中、路上生活に戻る人たちを今後どう支援するかが課題だと思う」と話していた。
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