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【経済】11年新卒も「氷河期」 4000社で採用増は5%

2009/12/17

 リクルートの調査部門のワークス研究所が16日発表した2011年卒の大学生・大学院生の採用調査によると、10年卒より採用を「減らす」と答えた企業の割合は9・3%で、「変わらない」が48・4%。景気悪化で、企業が急速に採用数を絞り込んだ10年卒と同程度かそれ以下しか採用しない企業の割合は合計で5割を超えた。「増やす」は5・5%にとどまった。

 厚生労働省などによると、10年卒の大学生の就職内定率(10月時点)は62・5%と就職氷河期並みの低水準。「減らす」とした企業の割合は前年調査(15・7%)より低下したものの2年続けて「増やす」を上回っており、11年卒も厳しい就職戦線が続きそうだ。

 全体の36・6%の企業は「分からない」と回答。前年より11・5ポイント増えており、景気の先行き不透明感から多くの企業が採用計画を立てられない状況。採用は今後の景気動向に大きく左右されそうだ。「増やす」は2・8ポイント下がった。

 業種別では「減らす」の割合が高いのは小売業の14・3%、自動車・鉄道の12・4%、情報通信業の11・6%など。一方、半導体・電子電気部品など「増やす」が「減らす」を上回る業種もあり、同研究所は「厳しかった前年と比べると、ところどころに明るさもみえる」としている。

 同研究所は11年卒の高卒の新卒採用調査も公表。「減らす」が4・9%で、「増やす」の2・2%を上回った。「変わらない」は60・4%で、「分からない」は32・4%。

 調査は、従業員規模5人以上の6889社を対象に10月から11月にかけ実施し、4400社が回答した。