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【社会】「厳選採用」大学側も危機感 3年生 就活〝猛講義〟

2009/11/17

模試 メール配信■個人面談前倒し

 不況で大学4年生の就職内定率が落ち込む中、3年生の就職活動が早くも本格化している。昨秋のトヨタショックもあり、中部地区の就職状況も「冬の時代」に。大学側は「今後も厳しさは変わらない」とみており、不況下で「厳選採用」を打ち出す企業側に負けじと、あの手この手で学生を奮い立たせる。

 「証券会社に決まったのは9月末。(就職活動は)長くてつらかった。まだ就活を続ける友人もいます」

 名古屋市天白区の名城大で12日にあった3年生向け就職ガイダンス。4年生の女子学生の言葉に、500人が真剣に聞き入った。

 同大は今春の卒業生の就職率(大学院進学を除く)は87%と比較的高かった。だが今の4年生は一転、厳しい就活に。これまでの内定率は昨年より1割以上低い。同大キャリアセンターの犬飼斉課長は「3年生に『のんびりしていては関東や関西からのUターン組に負ける』とハッパを掛けている」と話す。

 一段と手厚く学生を支援しようと、同大は今月末から、企業が採用している適性検査の模擬問題を1日1問、3年生の携帯メールに配信。履歴書の書き方から女子学生のメークまで、盛りだくさんの講座を開いた。「過保護かもしれないが、やらないよりやった方がまし」と犬飼課長。

 名古屋学院大(名古屋市熱田区)も内定率が昨年同期比で15ポイントダウン。まだ就活を続ける4年生もいる中で、就職実績が高い企業の協力で卒業生の声を紹介する冊子を作り3年生に配布する。担当者は「大手企業だけではなく選択の幅を提供したい」と言う。

 椙山女学園大(同市千種区)は例年より1カ月ほど早く9日に就職個人面談を開始。12月には、就職に成功した卒業生との交流会を規模を広げて行う予定だ。交流会は例年、学生に好評で、担当者は「焦らせたくないが早めに自己分析し、心構えを持つ準備が大切だ」と話す。

 3年生の就職戦線について、リクルート名古屋支社(名古屋市中区)の担当者は「雇用はまだ足踏み状態。今年のキーワードは『厳選採用』だが、さらに質が求められるだろう」と分析。「有名企業だけではなく視野を広げてさまざまな企業に触れてほしい」とアドバイスする。

内定者の体験記を聞く就職活動ガイダンス参加者たち=名古屋市天白区の名城大で
内定者の体験記を聞く就職活動ガイダンス参加者たち=名古屋市天白区の名城大で