2009/11/13
レジ合間に調理、掃除
どこに赴任しても頻繁に通うコンビニエンスストア。転勤のたびに頼りにしていた店は変わるものだが、今の赴任地でもお世話になる「マイ・コンビニ」が見つかった。単身赴任には貴重でありがたいお店。記者が住む豊川通信局から徒歩十秒の「デイリーヤマザキ豊川中央通り店」に一日修業を申し出た。
制服を着てカウンターの中へ。まずは「いらっしゃいませ」のあいさつ。これを怠るとクレームがつくこともあるというからおろそかにはできない。
レジはバーコード読み取りだが、緊張のせいかコードが見つからない。しかも機械がなかなか読み取ってくれない。最初はかなり焦った。
レジでは最後に客の性別、年代を入力する。ボタンは「二十歳以上男性」「五十歳以上女性」など十種類。本部に情報が蓄積され、商品開発や品ぞろえに生かされる。最後の一押しの前、年齢を推測しようと客の顔をじっと見ていると、パート暦五年の津田紀美子さんに笑われた。
「コンビニの仕事=レジ打ち」と思っていたが、レジは仕事のごく一部にすぎなかった。パンや揚げ物の調理、商品の補充・発注、消費期限切れ商品のチェックと廃棄、冷蔵庫の温度チェック、ごみの整理、トイレ掃除…。津田さんは接客の合間に手早く無駄なく仕事をこなしていた。
仕事の喜びを聞くと「常連のお客さんがこの前、赤ちゃんを抱っこさせてくれたの。すごくうれしかった」と津田さん。かつて八百屋や魚屋が担っていた「地域のコミュニケーション」を、今はコンビニが担っているのかもしれない。
オーナーは、店舗での仕事のほかに商品の入れ替えや人事管理、給料計算などの仕事がある。商品は本部の品ぞろえ一万五千点の中から五千点ほどを選ぶ。入れ替えは月二、三百点に上る。
オーナーの松井忠房さん(62)に業界の現状を尋ねると「今はどこも過当競争で差別化を図ろうと必死。弁当などの店頭調理が増えている。一方で仕事を増やすには人を雇わねばならず、利益が減ってしまう」。業界は成熟期を迎え、明確な経営戦略が求められているようだ。(志方一雄)
【メモ】デイリーヤマザキの場合、バイトの採用は面接で決まり、時給は750~1000円ほど。オーナー希望者にも面接があり、採用されれば1カ月程度の研修を受ける。開店までに研修費、商品代などの自己資金が300万円ほど必要。
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