2009/10/21
進路指導教諭 企業訪問繰り返す
不況の波が、来春卒業を迎える南加賀地方の高校生にも押し寄せている。小松、能美両市では有効求人倍率が県内で最も低く、高校生の就職難が深刻化。十一月以降は正念場で「働きたいのに働けない」「雇いたいのに雇えない」と重苦しい空気が漂う。(増田育子)
製造業を希望する小松市内の高校三年男子生徒(18)は「悔しいが、仕方がない。今は早く内定をもらい、先生や家族を安心させたい」と話す。小松市内の機械メーカーの人事担当者は「高校生を採りたい気持ちはやまやま。でも、自分たちが生き抜くので精いっぱい」と伏し目がちだ。
小松、能美市を管轄するハローワーク小松によると、八月末の有効求人倍率は〇・二六倍(昨年同月比〇・六四ポイント減)。製造業の落ち込みは依然として激しく、八月末の新規求人数は九十一人(昨年同月比60%減)で、「最悪の状態」という。
就職希望者の多くが製造業を目指し、毎年ほぼ100%の内定率を誇る小松工業高校にとっては「予想はしていたが、やっぱりつらい」と話す。同校では、三年二百二十四人のうち百六十一人が就職希望で、うち内定したのは約百十人。進路指導主事の中西茂樹教諭(58)は「今までならこの時期、90%近くの内定があった」と表情を曇らせる。
授業の合間になじみの企業を繰り返し訪れ、生徒の「働くことへの思い」を訴える。進路指導室をひっきりなしに訪れる生徒には明るく接し、「人生は長い。くじけてどうする。自分を試すチャンスだよ」と励ます。
ハローワーク小松の森田正毅所長は「今は高校生、一般問わず、一人でも多くの求人を集めることしかできない」と話している。
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