2009/10/07
わが家を持つなら、こだわりたいのが壁紙などの内装。落ち着きや癒やしなど、重視するところに家人の個性が表れる。そんな内装を手掛ける杉山インテリア(豊田市永覚新町)の杉山晃一さん(35)の仕事を手伝った。
名古屋市内の閑静な住宅地で進む新築の現場。杉山さんは住居全体の壁紙張りなどを担当している。九月の大型連休明けの一日は、壁紙張りの前の下地作業をしていた。
内装と聞いて、考えていたのは壁紙をすき間やゆがみなく張ること。「下地作業をしてもらいます」と聞いて、驚いた。杉山さんによると、壁紙張りの重要な作業の一つが下地作業。きれいに壁紙を張れるかの鍵という。
「誰にでもできるから」と渡されたのは、パテとヘラ。任されたのは柱などに壁を固定するために取り付けられたねじ穴を埋める作業だ。ねじ穴を埋めずに壁紙を張ると、指で圧力をかけた時に穴が開いてしまうこともあるという。
早速ヘラにパテを載せ、ねじ穴を埋めていく。左から右にパテを動かして、パテをねじ穴に塗る。そして、上から下に下ろして、余分なパテを取っていく。
簡単そうに見える作業だが、やってみると大違い。思ったところにパテは塗れず、余分なパテを取ることもできない。
「ヘラを寝かせば、パテを塗れて、立てれば、取れますよ」。見かねた杉山さんが優しく教えてくれた。人さし指と中指の微妙な力加減も平らにしていくこつだという。
「いきなりはできません。パテ塗りは僕でもいまだに勉強中」。十七年の職人さんに言われてしまったら、お手上げだ。二時間ほど手伝ったが、なんとか一部屋分のねじ穴を埋められただけ。それでも「助かりました」とお礼を言われ、うれしくなった。
「壁紙を張ると、部屋の雰囲気が変わる。お客さんの喜ぶ姿がみたい」と杉山さん。完成した内装も見たくなった。(杉山直之)
メモ 内装業に資格は特に必要ない。杉山さんによると、一般的に3~5年間、弟子としてパテ塗りや壁紙張りの修業を積んで独立。弟子時代の初任給は月給で14、15万円だったという。
壁のつなぎ目をパテで埋めていく杉山晃一さん。段差は一度塗るとわかるという=名古屋市内で
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから