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【三重】県内漁業者、5年で2割減 高齢化、後継不足深刻に

2009/09/10

 県内の海で漁業や養殖業に携わっている世帯・事業所など経営体の数は2008年11月現在、計5155で、5年前と比べて1351、20.8%減ったことが農林水産省の調べで分かった。漁業者の高齢化が進み、担い手不足が深刻になりつつある実態が示された。

 5年ごとの統計調査で、全経営体のうち、定置網や底引き網などの海面漁業は3607で、03年の前回調査より19・8%減。海面養殖業は22・8%減の1548だった。

 養殖の内訳で、最も多いのはノリ類の517だが、前回調査より1割余り減少。真珠は469、マダイは187、ワカメは48、ブリは12と3~4割減り、カキ類はほぼ横ばいの230だった。

 県水産資源室は「養殖マダイなどの販売単価が下落しているのに餌代は高く、経営が成り立たず廃業する業者が目立っている」と説明している。

 一方、漁業就業者は9947人で、前回より2314人、18・9%減少。うち自営業の男性は5004人で、60歳以上が67・8%を占め、高齢化が進んでいる。

 後継者のいる自営業の経営体は605で、前回より1割ほど減少。全自営業者に占める割合は12・1%で、全国平均を6ポイントほど下回っている。県水産経営室は「新たな養殖技術の導入や、新商品の開発を支援するなど漁業の魅力向上に努めたい」としている。

 (平井一敏)