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【愛知】不況の授産所に救い 自転車ノーパンク化事業

2009/08/18

 自転車のタイヤをパンクしないよう改良する「ノーパンクタイヤ」事業が、不況で就労できる仕事が減ってピンチにある福祉施設で広がっている。大府市横根町の通所授産施設「東あけび苑(えん)」が地元の自動車部品メーカーと提携して4月に取り組み始めたのを機に、知多や三河地域などの4施設が後に続いている。

 ノーパンクタイヤは、チューブに代わり、発泡性樹脂の芯(しん)材を詰め、空気を入れない分、重くなるもののパンクの心配がなくなる。

 東あけび苑には、大府市の自動車部品メーカー「型善」が資材提供して事業に乗りだした。4カ月たった今も1カ月に30台を受注する好評ぶりだ。

 6月から取り組み始めたのは阿久比町卯坂の通所授産施設「ひらめき2%」。うどんの製造販売、自動車部品会社の下請け業などをしているが、売り上げが減少。仕事が決まっていた利用者3人が不況の影響で就職を見合わせたこともあり、導入を決めた。

 それ以降も東あけび苑の活動を知った安城市池浦町の「ぬくもり福祉会」や、刈谷市寿町の「青ねこくらぶ」、名古屋市内の社会福祉法人が事業を始めたほか、今後導入予定の施設もあるという。

 ひらめき2%では、利用者と支援者2人でタイヤに芯材を詰めてノーパンク仕様にしており、自転車や車いす1台につき4600円(片輪は2500円)から。阿久比町近辺なら無料で引き取り・配達も可能。

 責任者の加藤守倫さん(34)は「がれきの上も走る災害時などに役立つ。今後の目玉事業にできれば」と期待を込める。

 (村井麻那)

ノーパンクタイヤ仕様にする利用者と支援員=阿久比町卯坂のひらめき2%で
ノーパンクタイヤ仕様にする利用者と支援員=阿久比町卯坂のひらめき2%で