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やってみました 記者たちの職業体験ルポ スポーツクラブインストラクター

2009/08/12

目的理解し運動補助

 施設に入ると引き締まった体形のお兄さん、お姉さんが笑顔で出迎えてくれる。さわやかだ。この人たちはどんな仕事をしているのだろう。興味をそそられ、アイレクススポーツクラブ(豊川市末広通)の門をたたいた。
 インストラクターの安井秀臣さん(27)の指導で、太もも裏の筋肉を伸ばすストレッチの補助を体験した。あおむけに寝転んだ人の足首とひざを持ち、おそるおそる頭の方向へ倒す。力加減が分からない。「ひざが曲がらないように支えて」と声が飛んだ。筋肉の仕組みや運動の目的を理解していないと補助者は務まらないと実感した。

 目的に応じたメニューづくりも大切な仕事だ。筋肉をつけたい人の場合、五回から八回ほど持ち上げられる限界の負荷が何キロなのか、割り出して指定しなければならない。

 安井さんに胸の筋肉を鍛えるマシンに座ってもらった。四十キロ、五十キロと徐々に負荷を上げ、適正負荷の六十五キロにたどり着くまでに数十回上げてもらうはめに。

 「早く見極めないと疲れてしまいます。事前のカウンセリングが大切。あとは表情や動きを見れば分かります」。これも経験が必要なようだ。

 「自分でもトレーニングされるのですか」と聞くと、「就業後や休日に結構みんなやってますよ。たるんだ体形では説得力がありませんから」と安井さん。

 支配人代行の大津輝幸さん(27)からは仕事全般の説明を受けた。開業三十分前から施設内を見回り、電球が切れていないか、掲示物が曲がっていないかなどをチェックする。交代で受付に立ち、苦情に対応したり、販売促進のキャンペーンの企画も。地味な裏方仕事も多い。

 それでも無駄のない筋肉質な体形を見ていると「ああいう体になりたいな」と思わせてくれる。夢を売る仕事なんだと納得した。(志方一雄)

 【メモ】運動が好きで人と接することが好きな人向き。アイレクスの場合、筆記、面接の試験あり。パーソナルトレーナー、健康運動指導士などの資格があれば有利。初任給は大卒20万3000円、短大・専門卒18万9000円。複数のスポーツクラブで講座を受け持つフリーのインストラクターはオーディションで選ばれる。

太もも裏の筋肉のストレッチをする安井さん(手前)と大津さん=豊川市末広通のアイレクススポーツクラブで
太もも裏の筋肉のストレッチをする安井さん(手前)と大津さん=豊川市末広通のアイレクススポーツクラブで