2009/07/31
梅雨が終わらない-。長引く雨天や日照時間の不足から、飛騨地方の農業や観光に影響が出ており、関係者からは梅雨明けを願う声が上がっている。30日は梅雨前線の活動が弱まったため約1週間ぶりに青空が戻ったが、岐阜地方気象台によると31日夜から再び崩れる見込み。同気象台は「梅雨明けしない可能性もある」と予想している。
飛騨農業協同組合によると、野菜では多湿による病気が発生。ホウレンソウの葉が細くなり重量も落ちているという。
高山市丹生川町の飛騨蔬菜(そさい)出荷組合の村上喜作トマト部会長(54)の農園では、カビが大量発生した。「天気が良く、湿度が低ければこんなことにならないのだが」と苦い表情。
今月17~29日の高山市の日照時間は平年値の34%。昨年は少雨で豊作となり、値が暴落。「初めは雨が降って喜んでいたが、これだけ降るとは」と嘆く。
盆明けに出荷する作物の成長にも影響が出ている。飛騨の特産を目指している桃も、日照不足のため糖度が落ちているという。
久々野果実出荷組合の亀山正博組合長(64)は「盆にかけてが本番。これから日が照っていけば良い桃ができる」と今後の天候に期待する。
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本格的な登山シーズンを迎えている北アルプス。高山署によると、夏山警備を始めた今月17日から29日までの入山者数は2832人で、昨年同期比68%にとどまっている。
山小屋宿泊者も少なく、槍平小屋では悪天候が予報されていた30日の宿泊者は3人。予約のキャンセルも目立ち、経営者の沖田政明さん(58)は「宿泊者は例年の半数以下。次の週末に期待したい」と話す。
標高2、156メートルからの北アルプスの眺めが売り物の「新穂高ロープウェイ」でも、山の姿が見えない日が続く。今月1~29日までの利用者は約2万8000人と前年に比べて1万3000人少ない。担当者は「景色が見えないのに来てくれる人はいない。8月も冷夏との予報があるのでもう見込めないのか」と頭を抱えている。
(白山泉、並木智子)
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