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【福井発】不況は人材確保の好機 福井で情報交換会 大学側にアピール

2009/07/29

県内企業積極的「優秀な人を」

 ピンチをチャンスに-。厳しい雇用情勢を逆手に取って優秀な学生のU・Iターン就職を進めようと、県内企業と都市圏の大学などとの就職情報交換会が二十八日、福井市のホテルフジタ福井で開かれた。二〇一一年三月卒業の就職戦線も視野に入れながら、県内企業の採用担当者らが各大学のブースを回り、自社の技術や実績の売り込みを図った。 (北原愛)

 情報交換会は昨年に続き二回目。県や県経営者協会などでつくる「ふくいへのU・Iターン促進実行委員会」が主催した。

 会場では、優秀な学生の採用に意欲的な企業側の積極姿勢が目立った。初参加だった食品加工販売業の福梅(若狭町)は「県外大学に中小企業がPRする機会はそう多くない。ぜひ、優秀な人材を採用したい」と、自慢の梅干しを示して事業内容をアピールした。

 建築業の日本ピーエス(敦賀市)は「採用は若干名だからこそ、やる気のある優秀な人材を採りたい」として、建築業に関心のある学生の動向などを情報収集。新道繊維工業(あわら市)も「(一一年三月卒の)次の採用は未定だが、採用対象者は広げたい」と、優秀な人材確保に熱心だった。

 一方、大学間の競争が激化している大学側も、就職率のアップに必死だ。金融機関との情報交換を終えた大阪経済法科大の就職課職員は「四年生の内定状況は現時点で四割弱。Uターン希望者は増加しており、その相談に乗るためにも企業から生の情報を仕入れたい」と話していた。

 就職戦線の厳しさを反映し、今回の情報交換会には北陸のほか、首都圏や関西圏、中京圏などから、前回より九校多い七十一校の大学や短大が参加。逆に企業側の参加は、雇用環境の厳しさを反映して前年比二十六社減の八十七社だった。

大学側(左列)に自社をPRする県内企業の採用担当者ら=福井市のホテルフジタ福井で
大学側(左列)に自社をPRする県内企業の採用担当者ら=福井市のホテルフジタ福井で