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【経済】「企業内失業者」600万人に 経済財政白書

2009/07/24

 林芳正経済財政担当相は24日の閣議に2009年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。金融危機による景気の急激な悪化を受け、余剰人員となっている「企業内失業者」が1980年以降で最悪の最大607万人に上ると推計。生産が早期に回復しなければ一段の大規模な雇用調整につながる恐れがあるとした。

 非正規労働者の増加による賃金格差の拡大が続いていることも指摘。過去10年間で雇用者のうち年収300万円未満の層だけが増加し、全体の過半数に達したことを明らかにした。白書は、失業や非正規雇用に対する安全網の充実が必要としている。

 実際の生産に見合う以上に企業が雇用を抱えている「雇用保蔵(企業内失業)」の規模を推計。08年1~3月期では最大38万人(うち製造業は最大6万人)だったのに対し、09年1~3月期は最大607万人(同369万人)まで急増した。

 技術を持つ人材を手放さない姿勢を評価する一方、労働時間削減など雇用維持の対策はすでに限界に近いと指摘した。

 学生を除く雇用者1人当たりの年収について、97年には全体の43・6%だった300万円未満が、07年には50・2%まで上昇した実態も示した。