中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【国際】「温室ガス半減」見送り 主要経済国首脳宣言

2009/07/10

 【ラクイラ(イタリア中部)=三宅真】主要8カ国(G8)首脳会議(ラクイラ・サミット)は、G8と中国、インドなど新興国が地球温暖化問題を討議する主要経済国フォーラム(MEF)首脳会合を開き、9日夜(日本時間10日未明)、首脳宣言を発表。温室効果ガス排出量を2050年までに「相当の量削減する」としたが、具体的な削減の数値目標は盛り込めなかった。

 G8側はサミット初日、50年までに「先進国が80%か、またはそれ以上」の温室効果ガス削減を目標とすることで合意。同年までに「世界全体で50%削減」とすることで新興国側の合意を得たい考えだった。しかし、地球温暖化は先進国の責任であり、新興国は削減義務を負わない、とする新興国側と折り合わなかった。

 発表されたMEF首脳宣言では、地球温暖化問題が「われわれの時代の最大の課題の一つ」と位置付けた。その上で、温室効果ガスについて、先進国は「それぞれの野心的な中期目標に沿った削減」を行い、新興国、途上国は、削減努力をまったく行わない状態から「削減を示す行動をとる」としている。

 G8が合意した「産業革命以前の水準からの世界全体の平均気温の上昇が、2度を超えないようにするべきだ」という文言については「科学的知見として認識する」との表現を加えて盛り込んだ。

 温室効果ガスの削減目標設定への取り組みは、13年以降の新たな削減の国際枠組み(ポスト京都議定書)を決める、今年12月の国連締約国会議(COP15)までに行うと期限を区切っている。