2009/07/10
携帯音楽プレーヤーの代名詞として世界中で親しまれてきたソニーの「ウォークマン」が今月、発売から30周年を迎えた。屋外でも手軽に高音質の音楽を楽しむことを可能にし、人々の生活スタイルに大きな影響を与えたウォークマン。近年は米アップルの「iPod(アイポッド)」に大きくシェアを奪われていたが、日本国内では復活の兆しも見え始めている。
ウォークマンは、ソニーの創業者の一人である井深大氏(当時名誉会長)が「海外出張の際に飛行機の中で好きな音楽を聴きたい」と、再生機能に絞った小型製品の開発を提案。1979年7月1日に第1号が発売された。
当初は「再生専用機なんて聞いたことがない。録音機能がないと売れるわけがない」と社内でも否定的な意見が強かった。しかし、390グラムという驚きの軽さが若者らの心をつかみ大ヒット。ソニーはその後も「CD」「MD」と次々に新しいウォークマンを発表し続け、今年3月末までに累計3億8500万台出荷している。
しかし、2001年に米アップルコンピュータ(現アップル)が音楽データをハードディスク(HDD)に記憶させるiPodを発売。インターネットで音楽を安価に購入するというスタイルも支持を集め、約7年半で2億1000万台というウォークマン以上の爆発的なヒットとなった。
一時は国内でも1割程度のシェアまで追い詰められたウォークマンだが、スピーカー付きモデルやワンセグ視聴、高音質などでiPodと差別化。市場調査会社BCNによると6月は36・1%のシェアとなり、46・4%のiPodに約10ポイント差まで迫ってきている。
しかし、世界的にはiPodの5482万台(08年)に対して、ウォークマンは700万台(08年度)とまだまだ及ばない。また、ウォークマンは「音楽を聴くための機器という基本コンセプトは変えない」(広報センター)としており、携帯電話やゲーム機との融合の方向に進んでいるiPodにさらに差をつけられる可能性もある。
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから