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【経済】WTO交渉、来年妥結 ラクイラ・サミットで共同宣言

2009/07/10

 【ラクイラ(イタリア中部)=三宅真】主要国(G8)首脳会議(ラクイラ・サミット)は9日午前(日本時間同日午後)、G8と中国、インドなど新興国との拡大会合を開いた。経済危機克服のためあらゆる措置を取ることで合意。停滞している世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)を、2010年に妥結させることを盛り込んだ共同宣言を発表した。

 サミットの拡大会合は、07年のハイリゲンダム・サミットで2年限定で正式に設けたが、共同宣言を採択するのは初めて。新興国側もG8と責任を共有することを明確にする狙いがある。新興国抜きでは世界規模の問題に対処できないため、拡大会合を2年延長することで合意しており、今後、定着していく可能性がある。

 共同宣言は、経済危機克服のために、内需拡大による世界的回復を達成するための協力を行うことで合意。「いくつかの国は銀行部門の再建、貸し出しの回復が必要」と金融基盤強化にも言及した。

 自国に有利な貿易制限を行う「保護主義」を排除するため、ドーハ・ラウンドの重要性を確認。9月に米ピッツバーグで開く主要20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)前に、関係閣僚会議を開き、決着に向けた動きを加速させることを指示した。

 拡大会合にはハイリゲンダム・サミットからのメンバーである中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカをはじめ、エジプトなども参加。貿易部分の討議には韓国、オーストラリア、インドネシアも出席した。