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【経済】日銀7月報告 景気全国で上方修正

2009/07/07

3年半ぶり「状況、依然厳しい」

 日銀は6日、7月の地域経済報告(さくらリポート)を発表し、2006年1月以来3年半ぶりに全国9地域すべての景気判断を上方修正した。生産、輸出の回復などから悪化ペースが鈍化したことが背景。一方、設備投資や雇用環境の動向が依然として低水準なことから「引き続き厳しい状況にある」と、警戒感は緩めていない。

 景気の総括判断は「悪化のペースが鈍化しており、下げ止まりつつあるものの、引き続き厳しい状況」。「大幅に悪化している」とした前回4月の判断を上方修正し、国内景気は最悪期を脱したとの見方を示した。

 地域別にみると、関東甲信越は「大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある」と報告。自動車産業など輸出関連企業が集中する東海は「輸出と生産の持ち直しなどから、下げ止まりつつある」とした。ただ、北海道は9地域で唯一「下げ止まり」の表現を使わなかった。

 需要項目ごとの判断については、生産が「地域差は残るものの、持ち直しに転じつつある」と明るい見方を示した。背景として、自動車や同部品、化学、電子部品などの業種で海外の在庫調整が進んだことで輸出が持ち直しに転じたことを指摘している。

 ただ、個人消費や設備投資、雇用・所得環境は依然として厳しい。特に雇用情勢については近畿、九州・沖縄で悪化のペースが加速しているとしている。

 日銀の白川方明総裁は同日開いた支店長会議で消費者物価の先行きについて「需給バランスの悪化も加わって、マイナス幅を拡大していくとみられる」と指摘し、デフレの進行に警戒感を示した。