2009/06/09
自殺も高止まり 厚労省まとめ
過労が原因でうつ病などの心の病にかかり2008年度に労災認定された人は前年度より1人増の269人で、3年続けて過去最悪だったことが8日、厚生労働省のまとめで分かった。このうち未遂を含む自殺の認定は66人。前年度より15人減ったが、過去2番目に多かった。
脳梗塞など脳・心臓疾患で死亡したケースの認定は16人増の158人。過労自殺、過労死とも高止まり状態が続いた。厚労省は「依然として働く人の職場環境が厳しい状態にあることが反映されている」としている。
当初労災と認められず、審査請求や訴訟で認定される事例が増えていることも判明。厚労省は「新たな資料が見つかるなどして、結果として最初の事実認定と異なるケースが多かった。今後、現場での調査をさらに徹底したい」と説明した。
集計によると、精神疾患の労災申請は前年度比25人減の927人。認定された269人の年代別では30代が28%、20代と40代がともに26%。職種別では専門技術職が26%で最多だった。
自殺で認定された66人は06年度と同数。うち62人を男性が占めた。年代別では50代が24人、40代が15人、30代が11人と続いた。
脳・心臓疾患の申請は42人減の889人。認定者数は377人と15人減ったが、このうち死亡した158人は、02年度の160人に次いで多かった。認定者の93%が男性で、年代別では50代が38%、40代が31%の順。職種別の最多は運輸・通信の26%だった。
認定された人の1カ月の平均残業時間は80~100時間が最多で131人。100時間以上は207人で全体の半分以上に上った。
審査請求などで逆転認定されたのは精神疾患で22人で前年度より7人増加。脳・心臓疾患では前年度の倍の16人だった。
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