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【福井】大学生の“就活” 延長戦の様相 「内定者まだ半分」

2009/06/04

 不況の影響で就職が決まらない大学生が増えている。企業が求人を絞り込み、特に厳しい状況の短大生が焦りを見せる姿も。前年の内定率が高水準だったのとは様変わりし、企業回りの“延長戦”を強いられている。 (増田紗苗、渥美龍太)

 仁愛女子短大生活科学科2年の飯田育恵さん(19)は「手応えがない」と表情を曇らせる。興味を持ったIT関連にすべて落ち、「短大生も採用すると明言する企業に受からない…」と声を落とす。

 同大音楽科2年の牧坂遥さん(19)は「どこでもいい」と切実だ。医療事務やホームヘルパーなど資格取得に向けて勉強中。「専攻の音楽療法を生かせる仕事がないから、少しでも就職に有利になればと思って」と話す。

 就職指導課によると、同大への求人数は前年比で3~4割減。酒井宥光(ひろみつ)課長は「文系の女子学生が志望する事務職が派遣に切り替わり、四大生と同じ土俵で競うようになった」と背景を説明した。

 福井労働局の集計によると、来年3月に卒業を予定する県内8大学の求人受理数は、4月末現在で前年同月比23・8%減。短大に加え、不況が製造業を直撃した影響で工業系も厳しくなっている。

 県大学・私学振興課は「通常ならば8~9割の大学生が内定を得て就職活動を終える時期だが、聞き取りではまだ半分程度しか決まっていないようだ」と状況を説明する。

 この情勢を受け、県内大学を代表して県立大の祖田修学長らが3日、県経済団体連合会の川田達男会長に求人を要請。23日には、就職活動シーズンを過ぎた時期としては異例の企業面接会が福井商工会議所である。

川田達男会長(左)に要請書を手渡す祖田修学長ら=福井市のセーレン本社で
川田達男会長(左)に要請書を手渡す祖田修学長ら=福井市のセーレン本社で