2009/05/28
岐阜市内で保育所に通う0-2歳の乳幼児の数が、10年前と比べて4割増と急増している。女性の社会進出が浸透してきた結果とみられるが、不況の影響で流れが加速し、現場は受け入れ態勢の整備に苦慮している。
同市保育事業課によると、入所する0-2歳児の数は1998年度の1149人から08年度は1601人に増加。0-5歳児でみた全体は、少子化の流れで06年度をピークに減少し始めたが、低年齢児は上昇が続いている。
県によると、県全体の0-2歳児の保育所入所率は12%程で、都道府県では全国で最も低い水準だ。岐阜市も約15%で全国平均(20%)を大きく下回っている。
0ー2歳児の入園希望が増えている保育現場=岐阜市古市場の黒野保育園で
同市の増加傾向について、市保育事業課は「育児休業などの制度が整ってきたため」と説明。市男女共同参画・文化課も「共働きの世帯が増えたことが影響している」と指摘し、女性の社会進出を裏付けるデータとみている。
一方で、保育所は保育士1人当たりの児童数は0歳児が3人、1-2歳児は6人と定められている。このため0-2歳児の入所希望の増加に伴い、保育士の増員が課題に。市は現在、公立保育所(27カ所)の臨時保育士を募集して人材確保に力を入れている。
また、昨秋からの不況で、各保育園には「父親が失業した」「家計が苦しくなった」と働きに出ようとする母親の声が寄せられている。
市内で最大規模の黒野保育園は0-2歳児の希望が集中し、09年度は1歳児のクラスを2つにした。2歳児も10人ほど増えて約40人となり、これ以上の受け入れは難しいという。西垣安久副園長は「入所希望者はどんどん増えている。年度途中では空きがない状態になっている」と話している。(丸田稔之)
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