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【富山】観光客もてなす 氷見の案内人 不況でリストラ…天職に出会う 

2009/05/23

大江和正さん
今月採用 『まだ勉強中』意欲は満々

 氷見市のJR氷見駅構内にある市観光案内所で、不況でリストラされた大江和正さん(58)=同市久目=が市観光コンシェルジェ(案内人)に就き、観光客の“よろず相談”に応じている。(美細津仁志)

 大江さんは氷見高校を卒業後、タカギセイコー氷見工場に三十年以上勤務。その後、高岡市にある日本製紙の子会社へ転職した。しかし世界同時不況で、会社は二〇〇八年九月に閉鎖され、失業した。失業保険で暮らしながら、人材会社やハローワークで再就職先を探したが、年齢的に採用には至らなかった。

 そこで知ったのが、市が募集していた観光コンシェルジェ。営業経験があり、地元の知識もあることから勇んで応募。市から委託された市観光協会が今年五月に大江さんら三人を採用した。

 大江さんの業務は、氷見駅に降り立った観光客の宿泊や観光の相談ほか、遠方からの電話応対など。五月中は研修期間で「まだまだ新米で勉強中」だが、観光客の多様な要望に合った宿を紹介できたときが一番うれしいという。

 「利益優先の会社員人生から、上質のサービスを提供する人生に踏み出した。また氷見に来たいと思ってもらえるように頑張りたい」と意欲を燃やす。

 大江さんら観光コンシェルジェの採用で、市観光案内所は六月から業務時間を三時間延長、午後八時まで利用できる。

氷見の観光マップを見ながら研修する大江さん(中)=氷見市観光案内所で
氷見の観光マップを見ながら研修する大江さん(中)=氷見市観光案内所で