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【滋賀】琵琶湖の恵み実感、中学生が刺し網漁体験

2009/05/22

 環境学習の一環で、岐阜県多治見市の小泉中学校の1年生184人が21日、湖北町尾上の琵琶湖で刺し網漁を体験、漁業の現状や湖の自然について学んだ。

 地元朝日漁協の杉本敏隆組合長らの指導を受けた子どもたちは、10人程度の班に分かれ、漁船で尾上漁港を出発。それぞれの漁師の漁場に向かった。杉本千治さんの船では、水深2メートル前後の浅場で、前日夕方に仕掛けた刺し網を引き上げた。船べりに並んだ子どもたちは、入れ替わりながら、長さ25メートル、幅1メートル超の網6枚を、力を込めて次々にたぐり寄せた。

 琵琶湖固有種のニゴロブナやハス、コイなどの魚が、網に付いていると「わぁ、かかってる」と歓声。岩本有真君は「網は意外と重たかったが、魚が捕れてうれしい」と目を輝かせた。

 漁港では、漁師の手ほどきで破れた漁網の補修に挑戦。網針(あばり)の扱いに四苦八苦していた青野紗也華さんは「最初はよく分からなかったけど、優しく教えてもらってうまくできた。漁師さんたちは大変」と感心していた。

 漁港内の朝日漁協会館での環境学習では、道路整備などに伴い、魚の産卵場所となる湖の浅瀬の環境が悪化したことや外来魚、カワウによる食害で、漁獲量が激減している現状を聴き、熱心にメモを取っていた。

 杉本組合長は「教室で学べないことを一つでも学んで、人生に役立ててほしい。若い子が来てくれるのは、漁協にも活気が出る」と顔をほころばせていた。

 (近藤歩)

琵琶湖で刺し網を引き上げる中学生たち=湖北町で
琵琶湖で刺し網を引き上げる中学生たち=湖北町で