2009/05/16
悲鳴上げる現場 早期離職 防げたら
福祉施設などで介護に携わる職員の精神的、肉体的負担からの早期離職が問題となる中、県社会福祉協議会は四月から、県健康・福祉人材センターに「福祉・介護人材定着支援アドバイザー」を置き、介護の職場で働く人の相談や、事業所訪問で人材定着対策の情報収集に当たっている。同協議会は「これからますますニーズが増える。悩みを聞くことで職員が定着する一助になれば」と話す。
「体力的に限界」「休みがほとんどなく、人がいなくて有給休暇も取れない」「給料が少なく生活が苦しい」-。昨年、同協議会が県内の社会福祉事業所に行ったアンケートには、職員の悲鳴が多数寄せられた。
ある特別養護老人ホーム。月四回の夜勤では職員一人が二十~三十人のおむつ交換を三、四回行い、ほとんど眠れない。車いすからベッドへの利用者の移乗などで腰痛になる職員は少なくない。みとりを行う事業所では、精神的な負担も心配の種だ。
介護労働安定センター富山支部の調査では、二〇〇五年九月から一年間の県内の介護職の離職率は14・3%。このうち勤続三年未満が74・3%を占めた。同協議会は「この不況で離職率は一時的に鈍るかもしれないが、続けたくても体力や精神面で辞めざるを得ない場合もあり、傾向は変わらないだろう」とみる。
四月から置いたアドバイザーは二人で、介護福祉士と元ホームヘルパーの女性。特養老人ホームなどで働いた経験を基に、電話やメール、窓口で相談に応じている。個室での相談もでき、同協議会は「ささいな悩みでもいいので、一人で思い悩まないで」と呼び掛けている。
十五日からは巡回相談も始め、初回は魚津市の新川文化ホールで行った。今後の日程は、二十二日 上市町文化研修センター▽六月八日 高岡市ふれあい福祉センター▽六月十七日 氷見市いきいき館▽七月二日 砺波地域職業訓練センター▽七月七日 クロスランド小矢部(時間はすべて午後一-四時)
問い合わせは、平日の午前九時~午後四時、県社会福祉協議会=電話076(432)6156=へ。 (渡辺ゆり)
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