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【長野】農業機械運転できる女性育成へ 県木曽農業センターが来月から講座

2009/05/09

 県木曽農業改良普及センター(木曽町)は、トラクターやコンバインなどを扱える女性農業者を育成する農業機械講座を6月に開講する。農家の高齢化が進む中、安全に農耕車を乗りこなせる農業従事者を増やすのも狙いだ。

 講座は10月まで6回行う。田おこしをする乗用小型トラクターや稲刈りに使うコンバインのほか、草刈り機やチェーンソーの扱い方も教える。大型農耕車の研修を実施し、免許試験の会場にもなっている県農業大学校(県農大、小諸市)での講習もある。

 農耕車には普通免許で乗れるものも多いが、木曽農業改良普及センターの担当者は「機械は男性任せという農家が多い」。県農大研修部の担当者も「稲作の盛んな県では農耕車を使った作業を請け負う女性だけのグループもあるほどだが、県内ではまだ農耕車に乗る女性農業者は少ない」と言う。

 こうした中、県内では高齢者が農耕車を運転して死亡する事故が多発。同普及センターは「無理をして機械を使っている高齢者に、女性が代わってあげられるようになればいい」としている。

 講座は木曽郡内在住女性を対象に25日まで(先着10人で締め切り)募集。問い合わせは木曽農業改良普及センター=電0264(25)2230=へ。

 (森木幹哉)

 【農耕車と免許】 県農大研修部によると、トラクターやコンバインは私有地の農地で乗るだけなら免許は不要。公道に出るには、車体の大きさなどによって小型特殊や大型特殊の免許が必要になる。同部が昨年度開いた農耕車の研修受講者(ほぼ全員が免許を取得)は208人で、うち女性は27人。

 【農作業中の高齢者の事故】 県農村振興課によると、昨年1年間に県内で農作業中に農耕車など機械を使用していて死亡した10人のうち70代以上は7人、一昨年も13人中9人と、農家の高齢化が影を落としている。