2009/04/06
名古屋市で1月、ホームレスによる生活保護申請件数が全国最多の447件に上った。昨秋以来、名古屋市以外の愛知県と近隣県で大量に失業した非正規労働者らが、同市に流入して保護申請したことが原因とみられる。同市は「全体の中で新規の申請相談の割合は1月より増えた。うちだけで対応するのはもう限界」と国などの支援を求めている。
名古屋市保護課によると、1月13、16、30日の調査では、生活保護などの相談のため、同市福祉事務所を訪れたホームレス計289人のうち、「派遣切り」などで職と住まいを失った人の82%は市外から来た人だった。
自立支援施設や一時保護所などホームレスに対応した公的施設が東海地方では名古屋市にしかなく、相談を受けた各自治体が、「名古屋へ行けばいい」と電車代を渡す事例もあったため、同市への流入が加速したとみられる。
同課は「最近も長野県のある市役所から『名古屋市でホームレス対策をしていると聞いたが受け入れてもらえないか』といった電話があった。各自治体で保護の実施責任を果たしてほしい」とする。
一方、相談件数自体は1月には1日平均101人だったが、2月には同90人、3月には同68人とやや落ち着いた。ただ新規の相談者は1月の同28人から2月が同22人、3月が24人と、割合としてはむしろ増えている。
相談者が集中する同市中村区役所で、申請の手伝いなどを行うボランティア団体「名古屋市生活保障支援実行委員会」のメンバーは、「以前は派遣切りでも40歳代前後の人が多かったが、今は再就職で有利なはずの20、30歳代の人が保護申請に来る。それだけ雇用環境が悪化しているのでは」と指摘している。
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