中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【静岡】ブラジル人らの失業相談親身に 浜松派遣村が開設

2009/03/30

 ブラジル人が市町村別では全国で最も多い浜松市で29日、失業した非正規雇用の外国人らの相談に乗る「トドムンド浜松派遣村」が始まった。主催したのは、法律家らでつくる「生活保護支援ネットワーク静岡」(藤枝市)。開設された中区中央の東ふれあい公園を訪れた人からは「親身に聞いてもらえた」などの声が目立った。30日まで。

 「トドムンド」はブラジルの母語・ポルトガル語で「みんな」の意味。東京の「年越し派遣村」とは違い、市が緊急宿泊施設の設置を許可しなかったため生活保護や雇用関係の相談が中心。それでも「開村」した午前9時すぎには6張りのテントは満員状態となり、初日は108世帯の世帯主らが訪れた。

 31日で派遣先の家電工場を解雇される見込みの男性(52)=掛川市=は「心筋梗塞(こうそく)で退院したばかりで働けない上、寮を出ろと言われている」と打ち明けた。司法書士や看護師らの助言を受け「退去期限を延ばしてもらえるよう交渉します」。

 「スペイン語の人はこちらへ」。通訳ら市民ボランティアはテント間を足早に行き来していた。正午にはカレーやおにぎりなど350食が振る舞われ、長い列ができた。

 求職中で元派遣社員のブラジル人、オオシロユミさん(39)=浜松市東区=は「一緒に考えてくれるのがうれしい」。だが、会場では相談のみで仕事のあっせんまではできず、菊川市のブラジル人女性(48)は「仕事を見つけに来たのに」と落胆していた。

 「村長」で司法書士の榛葉隆雄さん(47)は「『困っているのは自分だけではない』と知ってもらえたら」と話し、連帯感を持つよう呼びかけていた。

 30日は午前9時から午後3時まで。

 開村を受け、市は市役所北館1階の会議室に臨時の生活保護申請窓口を設けた。主に派遣村から45世帯が訪れ、大半が申請を済ませたという。