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【滋賀】近江八幡・看護学校から21人巣立つ 市内勤務わずか3人

2009/03/06

 近江八幡市立看護専門学校の卒業証書授与式が5日、同校講堂であり、第18期生21人が巣立った。市内の3病院での勤務予定者はわずか3人。地元病院の人材確保や、同校と病院の連携強化を探るため、市は18日、同校のあり方検討委員会を発足させる。

 4年制大学を卒業すれば、看護師だけでなく保健師や助産師の受験資格が得られる。近畿で最近5年間、看護系学部、学科が13校(定員計1100人)で開設。少子化に加え大学への進学志向が強まる中、学生の確保が難しくなっている。

 同校は1989年の開学以来、588人の卒業生を輩出しているが、本年度の卒業生は過去最少。2人が進学し、看護師として県内で13人、県外で6人が働く予定。

 市立総合医療センターでの勤務は1人で、昨年度の17人から激減した。深刻な経営難が表面化し、市と運営主体の特別目的会社が対立する中、学生が敬遠したとみられる。

 式では中根佳宏校長(72)が一人一人に卒業証書を手渡して握手。冨士谷英正市長らが祝辞を贈り、ヴォーリズ記念病院の塚本和江看護部長は「命を支える現場は厳しくて当たり前。健康に留意し明るく元気な看護師になって」と激励した。

 卒業生代表の横井裕美佳さん(29)は「学んだことを誇りに、日々進歩する医療に対応できる看護師を目指し努力します」と誓った。

 (松瀬晴行)

中根校長(右)から卒業証書を受け取る卒業生=近江八幡市立看護専門学校で
中根校長(右)から卒業証書を受け取る卒業生=近江八幡市立看護専門学校で