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【愛知】母と娘、一緒に卒業 来月から同じ病院へ就職

2009/03/04

 西尾市熊味町の西尾幡豆医師会准看護学校で3日、卒業式があり、同市瓦町の佐藤利恵子さん(51)、優貴さん(29)の母娘がそろって学びやを巣立った。4月から准看護師として同じスタートラインに立つことになりそうだ。

 2人が同校受験を決意したのは2年前の3月。それまで市内の眼科医院で看護助手として働いていた優貴さんは、勤め先の医師から何度も受験を勧められていたが「看護師は責任の重い仕事。務まるだろうか」と迷っていた。

 そんな娘を、ホームヘルパーの経験がある利恵子さんは「私が10歳若かったら、入学する」と激励。その話を優貴さんを通じて聞いた医師が「お母さんも一緒に受験したら」と勧めた。

 「娘はライバル。ついていこうと、必死でした」と2年間を振り返る利恵子さん。「娘に頼るのもしゃくだから」と自宅で看護学校での勉強を教わることはほとんどなかったという。

 そんな母を見て「負けてはいられない」と思った優貴さん。「母は主婦、父の会社の手伝い、学生と1人3役で、すごく頑張っていた。同級生としても実習での悩みなどを相談でき、心強かった」と話す。

 10日に発表される准看護師試験の結果を楽しみにしている2人。4月から西尾市内の同じ病院に就職が内定している。優貴さんは非常勤で働きながら名古屋市の看護専門学校に通い、正看護師の資格を目指すという。

 同級生の半数以上が家庭の事情などで休学したり、学校を去ったりする中、「一緒に卒業できて幸せ」と言う2人。「これからはお互いに看護師として高め合っていきたい」と笑顔を見せた。

 (広中康晴)

卒業式で西尾幡豆医師会長から特別賞を贈られる佐藤利恵子さん(左)と優貴さん=西尾市の西尾幡豆医師会准看護学校で
卒業式で西尾幡豆医師会長から特別賞を贈られる佐藤利恵子さん(左)と優貴さん=西尾市の西尾幡豆医師会准看護学校で