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【福井】職業訓練校に受講者どっと 定員、講座数を拡充

2009/02/27

 不況で職を失い、自らの技術を磨いて再起を図ろうとする人が増えている。国や県が開設する職業訓練校では、4月から定員を増やし講座内容も拡充。説明会には多くの求職者が訪れており、新年度からの講座は「満員御礼」が予想されている。

 厚生労働省所管の雇用・能力開発機構が設置する福井職業能力開発促進センター(越前市行松町)では、394人だった定員を2009年度は430人に増員。電気や機械などに関する技能を雇用保険を受けながら無料で学べる施設で、4月開講の3コースでは計56人を受け入れる。24日の説明会には例年50人ほどのところを75人が参加した。

 「実際の応募も多くなりそう」と恒川(つねかわ)弘之・訓練課長は推測する。定員の増加は約10年ぶりという。同センターが定員を増やしているのは国の緊急雇用対策の一環。08年度まであったパソコンなど事務系コースは09年度には開講せず、機械や電気などの製造系を増やす。事務系で顕著な求人減を反映させたという。

 昨年10月から通う福井市の小林未佳さん(26)は「コンピューター設計の技術と現場知識を身に付け即戦力になりたい」と意欲的。

 県が設置する福井産業技術専門学院(福井市林藤島町)、敦賀産業技術専門学院(敦賀市道口)でも計8の離職者向けコースを新年度は12に増やす。定員は120人から150人に。県労働政策課は「希望者が増えれば年度途中でも定員を増やす」としている。

 各種学校のケリー福井校(福井市成和2丁目)はコンピューター設計やパソコンでのデザインなどを教えるが、「昨年秋以降は切羽詰まった人の問い合わせが増えている」としている。

 (持田則子)

金属を削る大型機械の使い方の指導を受ける受講生=越前市の福井職業能力開発促進センターで
金属を削る大型機械の使い方の指導を受ける受講生=越前市の福井職業能力開発促進センターで