2009/02/24
派遣社員個人の派遣期間が、派遣先企業に直接雇用申し込み義務が発生する3年に満たなくても、同じ企業の派遣受け入れ期間が3年以上ならば同一業務の職場の派遣社員全体に直接雇用申し込み義務が発生するとして、労働組合「名古屋北部青年ユニオン」(名古屋市)の元派遣社員4人が24日、派遣先企業4社の労働者派遣法違反(直接雇用申し込み義務違反)を愛知労働局に申告する。
従来は、派遣社員個人が3年以上同一業務に派遣された場合のみ、派遣先企業に直接雇用申し込み義務が発生すると解釈されていたが、厚生労働省は「直接雇用の義務は、同一業務が継続した期間によって生じるもので、個人の労働期間ではない」としており、同ユニオンはこの見解をもとに申告する。
同ユニオンによると、個人ではなく職場の業務期間に着目して労働局に申告するのは、全国で初めてという。
申告するのは、愛知県内の航空機関連製造業に13年間、派遣社員などとして働いた50代の男性と、大手電機メーカー、通信会社などで3カ月-2年間、派遣社員として働いた3人。いずれの企業も同一業務の職場に派遣社員らを3年以上受け入れていた。
一方、契約上だけ請負業務として労働者派遣法の規制を逃れる「偽装請負」の期間も派遣期間に通算されるため、同ユニオンは「日本中の多くで偽装請負が行われていたため、ほとんどの派遣労働現場で直接雇用申し込み義務が発生する」と指摘している。
偽装請負から派遣へ大量の置き換えが進んだ2006年3月から3年の今年3月は大量の派遣切りが起きる「09年問題」と懸念されていたが、こうした申告が相次げば、派遣切りに一定の歯止めがかかる可能性がある。
【派遣先企業の直接雇用申し込み義務】労働者派遣法では、派遣労働は一時的な業務に限定するとの原則があり、製造業などでの派遣労働受け入れ期間を最長3年としている。3年以上受け入れが続く場合、派遣先には派遣労働者に直接雇用(正社員など)を申し込む義務が発生する。
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