2025/09/25
バスツアーで深く企業知って
参加者からは好評 イベント周知に課題も
新卒採用に苦戦する中小企業を支援しようと、春日井、小牧の両商工会議所が今月、地元の中小企業を訪問する少人数制のバスツアーを開催した。広く浅くPRする合同説明会と異なり、職場見学などを通じてより深く企業の魅力を伝え、就職につなげる狙いがある。(横田佑紀乃)
12日午後、半導体製造装置向けのバルブを手がける「アドバンス電気工業」(春日井市廻間町)の工場を大学生2人が見学していた。2人は市内の企業3社を丸1日かけて訪問。担当者から仕事内容や福利厚生を聞き、社内を回った。少人数のためか「配属はどう決まりますか」「有給は取りにくいですか」と率直な質問も。担当者との会話が弾み、和やかな雰囲気だ。
参加した中部大経営情報学部3年、亀岡暖人さん(20)は「『ほこり一つ許さない』という精密さをじっくり見られた」と好印象。アドバンス電気工業の担当者は「売り手市場で大手に流れ中小は難しい。『来るもの拒まず』でいろんなアプローチができれば」と前向きに受け止める。
両商議所は例年、新卒採用の会社説明会が解禁される3月に地元の中小企業を集めた就職フェアを開催してきた。しかしコロナ禍でオンライン活用が広まり、就活の手段が多様化するにつれ学生集めに苦戦。昨年を最後に終了した。
学生と中小企業の接点を強化しようと着目したのがバスツアーだ。Uターン就職者向けのバスツアーに取り組む岐阜県高山市の事例を参考に企画。今回は3日間で計4コースを用意し、地元の中部大(春日井市)と名古屋経済大(犬山市)の学生に募集をかけた。
参加者から好意的な声が上がる一方、周知不足という課題も見えた。各回の定員8人に対し参加者は2~3人と低調。「事前に知っていたら行きたかった」との声も寄せられたという。
学生優位の売り手市場が続き、人材確保に頭を悩ませる中小企業は多い。今後のツアーは未定だが、春日井商議所の担当者は「実際に会社に足を運んで、働くイメージを持ちやすかったのでは。地元の企業を知り就職につながれば」と振り返った。
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