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【社会】カスハラ指針案まとめる 都検討会 わいせつな言動や土下座の強要など

2024/10/31

 東京都のカスタマーハラスメント(カスハラ)防止条例の来年4月施行に向け、都の有識者検討会は28日、カスハラに当たる可能性のある行為を示す指針(ガイドライン)の案をまとめた。妥当性を欠く要求や暴言、土下座の強要、長時間の拘束などを列挙。都は検討会の議論を整理し、年内に指針を公表する。

 都のカスハラ防止条例は今月4日の都議会定例会で、全国で初めて成立した。罰則のない「理念条例」のため実効性確保が課題。都は検討会で、対応策などをまとめた共通マニュアルの素案も提示した。

 検討会の指針案では、カスハラに該当し得る行為として、働く人への「身体的な攻撃」や、人格否定をするような言動など「精神的な攻撃」を挙げた。差別的・わいせつな言動や、交流サイト(SNS)での中傷も盛り込んだ。一方、正当なクレームは業務改善や新たな商品・サービスの開発につながるため「不当に制限されてはならない」と指摘。顧客の権利に十分に配慮するよう求めた。

 共通マニュアルの素案では、複数人での対応や詳細にやりとりを記録するといった対策を例示。悪質な顧客らを出入り禁止にすることも可能だが、基準の慎重な検討が必要とした。