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【福井】雇い止め、2社で1000人 越前市“削減底打ち”の見通しも

2009/02/19

 数百人以上の派遣社員が働いていた越前市の大手2社で雇い止めとなった派遣社員は日本人、日系ブラジル人計約1000人に上り、昨年夏ごろに約1300人いた派遣社員などの非正規労働者は約300人に減ったことが分かった。一方で、「雇用削減はひとまず底を打った」との見通しもある。

 昨年末までに約400人を減らした電子部品製造「福井村田製作所」(岡本町)は1月だけでさらに約400人の更新をやめた。日本人、日系ブラジル人の派遣社員約200人が残る。昨年9月時点で派遣社員約1000人が働いていた。

 「現時点では当面、これ以上の人員削減は考えていない」と担当者。同社はこれまで、日系ブラジル人を積極雇用しており、市は職を失った日系ブラジル人の8割がそのまま市内にとどまっていると推計している。1割が帰国、1割は県外に移住した。

 自動車部品製造「アイシン・エィ・ダブリュ工業」(池ノ上町)は昨年8月で日本人約300人が派遣社員として働いていたが、これまでに約150人の更新をやめた。

 残る約150人のうち約40人は同社の制度に基づき正社員になったが、約10人は正社員になる時の条件が合わないなどで辞めたという。1月からは期間従業員の直接雇用を始め、派遣社員だった約100人が働いている。同社は「5、6月には自動車メーカーが生産を回復させるとの見通しもあり、増産に向けて踏ん張りたい」としている。

 市担当者は「取引先の在庫がなくなる春ごろには受注が出てくると聞いている」と地域経済の回復に期待を寄せている。

 (持田則子)