中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】カスハラ 定義や対策考える 県庁で協議会防止条例制定求める声

2024/06/14

 顧客などから悪質な苦情や嫌がらせの被害に遭う「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策を考える協議会が13日、発足し、県庁で初会合を開いた。出席者からはカスハラを防止するための条例制定を求める声が少なくなく、カスハラの定義や罰則の有無などさまざまな論点や課題が挙がった。

 経済団体、労働者団体、大学、行政などさまざまな組織の代表者らが参加した。企業法務に詳しい富田隆司弁護士は、顧客対応を切り上げられず、土下座させられたり猟銃を見せて脅されたりしたといった実例を紹介。「現場が(カスハラと)判断するためのよりどころになるようなものを、国や県がつくる必要がある」と指摘した。

 南山大の緒方桂子教授(労働法)は、条例に罰則を付ける場合のカスハラの定義付けの難しさに触れたほか、カスハラをしないための消費者教育の大切さを訴えた。中小企業の団体からは「大企業だけがやれるような対策ではなく、中小企業もやれるような対策を考える必要がある」との意見も出た。

 座長を務めた名古屋大の深沢龍一郎教授(行政法)は「何らかの形で条例が必要というのは皆さんの話から理解ができた。慎重に論点の検討を進めていく必要がある」とまとめた。次回は9月に会合を開く。 (多園尚樹)